2017 Fiscal Year Annual Research Report
Regulation of circadian clock of the eukaryotic host cell by the chloroplast and its evolution
Project/Area Number |
16K14791
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
宮城島 進也 国立遺伝学研究所, 細胞遺伝研究系, 教授 (00443036)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 細胞内共生 / 細胞内時計 / 光合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
真核細胞内において光合成を行う葉緑体は、シアノバクテリアの細胞内共生によって誕生した。細胞内共生によるオルガネラ成立は、他生物細胞の補食、細胞内での一時的保持、任意共生、絶対共生の順に進んだと考えられている。我々は、予備的な研究により、光合成及び呼吸活性が真核細胞の概日リズムを調整する(共生体による宿主への制約;逆方向)可能性を見いだした。つまり、細胞内共生関係の維持のためには、宿主による共生体の制御だけで無く、共生体による宿主の活動調節も重要である可能性が浮上した。本研究では、単細胞真核藻類を用いて、光合成による宿主真核細胞の時計調節経路を明らかにするとともに、このような逆方向の制御経路が、光合成生物の捕食段階においても存在するのか明らかにすることを目的とした。 本年度は、藻食アメーバと光合成性または非光合成性のバクテリア餌の共培養実験により以下のことを明らかにした。(i)光照射下で光合成性の餌を捕食する場合にのみ、一部のアメーバ細胞が破裂して死んでしまう。(ii) トランスクリプトーム解析の結果、光照射下で光合成性の餌を捕食する場合にのみ、酸化ストレス応答関連の遺伝子群及びDNA修復関連の遺伝子群の発現が上昇し、一方でアクチン・ミオシン遺伝子群の発現が減少する。 (iii) iiの結果と一致して、光照射下、光合成性の餌を捕食する場合にのみアメーバのファゴサイトーシス活性が低下し、餌の取り込みが低下する。(iv)一方で細胞内に取り込まれた後の餌の消化が速まる。 以上の結果は、光合成性の餌を昼間に捕食すると単細胞捕食者が光合成酸化ストレスに曝されること、捕食者は捕食を低減し、一方で消化を速めることで、細胞内の光合成性餌の量を減らし、酸化ストレス発生の軽減を行っていることを示唆している。つまり、光合成性餌の光合成により、捕食者の行動が変化することを示している。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Development of a double nuclear gene-targeting method by two-step transformation based on a newly established chloramphenicol-selection system in the red alga Cyanidioschyzon merolae2017
Author(s)
Fujiwara, T., Ohnuma, M., Kuroiwa, T., Ohbayashi, R., Hirooka, S. and Miyagishima, S.
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Journal Title
Front. Plant Sci.
Volume: Article 343
Pages: 1-10
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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