2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K14792
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
北野 潤 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 教授 (80346105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山平 寿智 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 教授 (20322589)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 性染色体 / 進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の遺伝・ゲノム研究により、性染色体が近縁種間で急速に転換するターンオーバー現象が明らかになりつつあり、種分化や表現型多様化との関連が示唆されている。しかし、これまでの性染色体の進化研究は近縁種間の比較研究にとどまっており、急速転換を引き起こす進化遺伝機構は殆ど未解明である。本課題では、性染色体の人為的な転換、つまりネオ性染色体の実験進化に挑戦し、特定の染色体がネオ性染色体になりやすいような遺伝的制約の有無を検証する。メダカはXY性決定機構を持つものの、胚発生初期の高温刺激によって一定頻度のXXオスを誘導できる。そこで、XXオスを用いた交配を繰り返すことによって、オス化しやすい個体を人為選択し、ネオ性染色体の進化を試みる。ついで連鎖マッピングによって、ネオ性染色体の座位を同定する。本年度は、前年度に引き続き、高温刺激を加えて性転換を行い、人為的選択を継続した。その結果、系統間で応答の仕方にばらつきがあることなどが明らかになってきた。また、完全にY染色体を除去した系統の確立にも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りに、温度性決定効果を利用してY染色体除去系統の作出に成功し、温度による性決定のゆらぎが、短い世代ではあるが、世代を超えてどのように進化するかの様子が見えてきたから。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は予定通り、確立されたY染色体除去系統のマッピングを実施し、隠蔽的に存在しているせい決定領域の存在の有無を明らかにする。
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