2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the proximate mechanism for the maintenance of pair bond by integrated endocrine approach
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16K14802
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
曽我部 篤 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (80512714)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 配偶システム / 一夫一妻 / ペアボンド / RNA-Seq / 内分泌 / 社会行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヨウジウオ科魚類イシヨウジでは、ペアは日の出直後の数分間だけ近接性が認められ、挨拶行動と呼ばれるペア内行動を通じてペアボンドが維持されると考えられている。本研究課題ではペアボンド維持における挨拶行動の機能を脳-脳下垂体-生殖腺軸全体の内分泌動態との関係から検証した。本年度は水槽実験により挨拶行動後の経過時間に応じた脳と血漿のサンプリングを行い、脳全体をライブラリとした遺伝子発現解析と血漿をサンプルとしたホルモン定量分析(11-ケトテストステロンとコルチゾール)を実施した。挨拶行動の直前、直後、挨拶行動後10時間に加え、挨拶行動阻害後10時間と24時間のタイミングで採取した雌雄を分析に供した。HiSeq4000(イルミナ社)を用いたシーケンス(2x150bp)により、1個体当たり平均5500万リードが得られ、デノボアセンブリにより得られたリファレンス配列へのマッピングとアノテーション、発現量解析を現在進めている。血漿中のコルチゾール濃度は挨拶行動直後に最も高くなり、その後緩やかに低下した。挨拶行動阻害後10時間ではコルチゾール濃度は低かったが、阻害後24時間では上昇していた。11-ケトテストステロンの濃度は挨拶行動直後に最も高くなり、次いで挨拶行動直前が高かった。挨拶行動阻害による影響は見られなかった。 一夫一妻のイシヨウジと比較するため、ヨウジウオとオクヨウジの2種について配偶システムを水槽実験と分子マーカーによる親子判定により調査した。国内4地域のヨウジウオ個体群間で配偶システムの変異が見られ、高緯度の個体群ほど乱婚の程度が高いことが明らかになった。雌雄の繁殖速度の比較からオクヨウジの潜在的な配偶システムを調査したところ、雌の繁殖速度は雄に比べて2倍早く、雄は1匹の雌の産んだ卵塊のみ保護可能なため、一妻多夫型の配偶システムを持つと推測された。
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[Journal Article] Application of stable isotope analysis for detecting filial cannibalism2017
Author(s)
Sogabe, A., Hamaoka, H., Fukuta, A., Shibata, J., Shoji, J., Omori, K.
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Journal Title
Behavioural Processes
Volume: 140
Pages: 16-18
DOI
Peer Reviewed
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