2016 Fiscal Year Research-status Report
野生チンパンジーにおける口腔細菌叢の伝播と食物分配
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16K14820
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
橋本 千絵 京都大学, 霊長類研究所, 助教 (40379011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 航 朝日大学, 歯学部, 助教 (80600113)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | チンパンジー / 歯周病 / 口腔内細菌叢 / 細菌DNAのシークエンス解析 / 感染経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
現地調査を、ウガンダ共和国カリンズ森林で行った。5月から1か月間に清水が行い、8月から1か月間、12月に3週間橋本、2月に2週間矢野が行った。 ワッジの収集はMグループの全個体を対象に行った。Mグループは約90頭の個体で構成されている。追跡中にワッジを吐き出したらすぐに収集し、保存液(Lysis buffer 及び RNA later)に浸して保存し、ワッジを出した個体の情報を記録した。食物に付着していた細菌や、付着した土壌由来の細菌の汚染を排除するために、ワッジを収集した場所の土壌の試料も同時に採集し別の容器に保存し、ワッジの試料と対応がつくようにラベリングした 。ワッジはなるべく各個体3試料程度を採集するようにした。合計28個体分の試料を採集した。 遺伝学的解析に関しては、矢野航が主に歯石から細菌由来のDNAを抽出し、早川卓志が主としてワッジに付着する口腔内の細菌由来のDNAを抽出する。平成28年度は、現地調査で収集した試料が現地から持ち出せなかったため、予備実験のみ行った。全DNAを遠心分離及びカラムによって精製する。PCR法及びショットガン法によってDNAライブラリを作成し、次世代シークエンサーMiSeq及びHiSeqを用いて細菌由来DNAを網羅的に解析する。チンパンジーの個体ごとに口腔内細菌叢を形成する細菌を属レベル(できれば種レベル)で同定し、その構成比を算出する。歯石は破壊した後、ワッジの場合と同様の方法でDNAを網羅的に解析し、骨格標本ごとに歯石に含まれる細菌を同定し、その構成比を算出する。これにより、歯周病の原因菌を絞り込む。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ウガンダ共和国カリンズ森林での野生チンパンジーを対象とした、行動観察および試料収集を予定通り行い、野生チンパンジー28個体から唾液・ワッジのサンプリングを行った。予備実験も行った。
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Strategy for Future Research Activity |
計画どおり、昨年度収集したチンパンジーのワッジ(しがみかす)試料からのDNA抽出やシークエンス解析を進める。
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Causes of Carryover |
試料収集が年度末近く現地国からの試料持ち出し許可が間に合わなかったため、調査地から試料を持ち帰ることができなかったため、分析をすることができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度収集した試料は、現地国からの試料持ち出し許可が出たら、試料を日本に送り、分析を開始する。
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[Journal Article] A comparative molecular survey of malaria prevalence among Eastern chimpanzee populations in Issa Valley (Tanzania) and Kalinzu (Uganda)2016
Author(s)
Mapua MI, Petrzelkova KJ, Burgunder J, Dadakova E, Brozova K, Hrazdilova K, Stewart FA, Piel AK, Vallo P, Fuehrer H, Hashimoto C, Modry D, Qabian MA
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Journal Title
Malaria Journal
Volume: 15
Pages: 423
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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