2017 Fiscal Year Annual Research Report
Transmission of oral microbiotic species and food sharing in wild chimpanzees
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16K14820
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
橋本 千絵 京都大学, 霊長類研究所, 助教 (40379011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 航 朝日大学, 歯学部, 助教 (80600113)
清水 大輔 中部学院大学, 公私立大学の部局等, 講師 (60432332)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | チンパンジー / 口腔内細菌叢 / 歯周病 / 食物分配 / カリンズ森林 / 次世代シーケンサー / 共進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
現地調査を、清水が2018年2月にウガンダ共和国カリンズ森林で行った。また、2017年4月から2018年3月にかけて、現地調査員が試料を収集し、行動テータとワッジ試料を集めた。 これまでの研究で蓄積された個体の家族関係および成長後の集団間移籍などの個体データを説明変数として用いた。外群としてチンパンジーと同所的に生息しているがチンパンジー程食物分配などの接触機会がない3種のオナガザル(アカオザル、ブルーモンキー、アビシニアコロブス)から唾液サンプルを採取し、その歯周病原性細菌および口腔細菌叢全体の多様性を比較した。比較となる他の霊長類の比較データが不足していたことから、国内の7ヶ所の動物園(犬山市の日本モンキーセンター、名古屋市の東山動物園、東京都の多摩動物公園、札幌市の円山動物園、旭川市の旭山動物園、横浜市のズーラシア)と共同研究を開始し、広範な種類の霊長類からの口腔細菌データの蓄積を行った。これまでに曲鼻猿類レッサースローロリスとオランウータン2種から細菌叢の解析を行った。 現在までに、採取されたサンプルの内、カリンズで得られた5種の野生霊長類試料、国内動物園で得られた2種の飼育霊長類由来の食渣試料からDNA抽出を行い、共通領域(V1-V2)をPCR増幅し、精製を行った後に、次世代シーケンサーを用いてその配列を解読した。仮説を検証するために必要なデータをカリンズ試料から得ることに成功している。現在歯周病の原因菌を含む口腔細菌叢の詳細な種内/種間多様性比較を行っている。国内動物園から得られた飼育霊長類由来の試料の解析は2回に分けて行っており、このうち先行して解析を行った日本モンキーセンターが飼育する歯周病例のレッサースローロリスの細菌叢データは、霊長類学会およ歯科基礎医学会研究会で発表し高い評価を受けた。現在、英文専門誌に投稿を準備中である。
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Research Products
(19 results)