2017 Fiscal Year Annual Research Report
Approach to the mechanism of water core development in apple fruit associated with mobility of water
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16K14845
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 卓 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (30196836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
実山 豊 北海道大学, 農学研究院, 講師 (90322841)
志村 華子 北海道大学, 農学研究院, 講師 (20507230)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Malus domestica / 果実 / みつ症 / プレッシャーチャンバー / 可溶性糖 / 含水率 |
Outline of Annual Research Achievements |
みつ症果の人為的作出:前年に引き続き、リンゴ(‘こうとく’および‘王林’)の収穫期直前の果実を採取し、プレッシャーチャンバーを用いて、果梗部から切り花染色剤(ファンタジー)を加えた1%ソルビトール溶液を200kPaで注入する(半日~1日)実験を行った。この場合、前年と同様に果芯部、花弁および萼片維管束ならびに果皮周辺の維管束が赤く染色されることを確認したが、みつ症発生の有無と関連して品種間差は見られなかった。また、‘こうとく’果実の花芯部に発生していたみつ組織に色素が流入しなかったことから、果梗部を通した樹液の流入過多がみつ症発生の主要因ではないとの結論に達した。 果実比重の経時的推移:みつ症を発生する‘ふじ’および発生しない‘王林’の収穫前後(10月初旬~11月初旬、1週間ごと)の果実について、比重(生重/体積)を経時的に測定し、品種間で比較した。果実比重は、品種に拘らず0.82~0.85g/cm3の値を示した。また、‘ふじ’の果実比重に、みつ症発生前後で顕著な変化は認められなかった。 糖含量および含水率:果実比重測定に用いた果実から果肉組織(果托の皮層部および髄部)をコルクボーラーで打ち抜き、可溶性糖(HPLC使用)および含水率(ドライオーブン使用)を調査した。みつ症発生の有無に拘らず、フルクトースおよびスクロース含量は皮層部で高く、グルコース含量は髄部で高い傾向を示した。ソルビトール含量は、‘ふじ’では髄部で高かったのに対し、‘王林’に部位間差は認められなかった。含水率は、すべての果実で、髄部が皮層部よりも2~6%高い値を示した。 果肉組織の構造:収穫直後の‘ふじ’、‘こうとく’および‘王林’の果肉組織(果托の皮層部および髄部)を、低真空SEMを用いて観察した結果、‘王林’で他の2品種と比べ細胞密度がやや小さく、髄部の果肉細胞直径がやや大きい傾向が認められた。
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