2016 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子情報を利用した次世代有用園芸作物開発スキームの確立
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16K14848
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山次 康幸 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (40345187)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 耐病性育種 / 植物ウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代育種技術シスジェネシスを利用し、有用園芸作物を開発するためには、膨大な植物遺伝子機能情報をもとに、作物やその近縁種から有用遺伝子を同定する技術が求められるが、その効率的特定スキームは確立されていない。本研究ではモデル植物等で現在までに得られた植物ウイルス抵抗性遺伝子の機能情報をもとに、トマト近縁種から植物ウイルスに対する抵抗性遺伝子を同定し、シスジェネシスによりウイルス抵抗性トマトを作出を目指す。平成28年度はトマトの重要病害であるペピーノモザイクウイルスについて効率的なウイルス接種系、抵抗性評価系の確立を目的として研究を実施した。ペピーノモザイクウイルスはトマトに果実の奇形、葉のモザイクなどの病徴を引き起こし、果実や種子を通じて伝搬する植物ウイルスである。1999年にオランダのトマトに発生したのを皮切りに、約10年で世界中に感染範囲を拡大したエマージング病害であり、本ウイルスに対する抵抗性品種は皆無である。ペピーノモザイクウイルスの全長cDNAを植物形質転換用のバイナリーベクターに導入した上で、プロモーター・ターミネーターの条件検討を行い、ペピーノモザイクウイルスの感染ベクターを構築した。同ベクターをアグロバクテリウムに形質転換した上でトマトにインフィルトレーション法により接種したところ、2週間後にウイルスの病徴が認められた。また、ウイルス特異的なRT-PCRによりペピーノモザイクウイルスの感染を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
効率的なウイルス抵抗性品種のスクリーニングを行うため、GFP遺伝子を導入したペピーノモザイクウイルス感染性クローンの構築を目指したが成功しなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
GFP発現ペピーノモザイクウイルスベクターの構築を継続するがうまくいかない場合は、感染性クローンを用いたスクリーニングを進める。
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Causes of Carryover |
平成28年度中にペピーノモザイクウイルスのGFPベクターを構築し、効率的なスクリーニングを行う予定であったが構築に至らなかったため、次年度使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
GFP発現ベクターの構築を継続するが、うまくいかない場合は感染性クローンを用いてスクリーニングを進める。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] EXA1, a GYF domain protein, is responsible for loss-of-susceptibility to plantago asiatica mosaic virus in Arabidopsis thaliana.2016
Author(s)
Hashimoto M., Neriya Y., Keima T., Iwabuchi N., Koinuma H., Hagiwara-Komoda Y., Ishikawa K., Himeno M., Maejima K., Yamaji Y., Namba S.
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Journal Title
The Plant Journal
Volume: 88
Pages: 120-131
DOI
Peer Reviewed
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