2016 Fiscal Year Research-status Report
トマトの単為結果性に関わるPAT-2遺伝子の転写機能を制御するタンパク質の解析
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16K14851
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森 仁志 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (20220014)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 単為結果性 / 転写因子 / zinc finger homeodomain |
Outline of Annual Research Achievements |
単為結果は受精によらず、着果および果実の肥大が起こる現象である。園芸分野では単為結果性を品種に持たせることは、果実の品質向上と安定な栽培に重要である。トマトの単為結果性を持つ品種から原因遺伝子がZinc finger homeodomain転写因子PAT2であることが報告されたが、その分子機能は明らかになっていなかった。PAT2は欠損することによって単為結果性原因遺伝子であることから判断して、転写を抑制する転写因子であることが明らかになったが、どの遺伝子の発現を抑制するのかが課題であった。今年度までの研究からPAT2が結合する遺伝子が活性型ジベレリン生合成酵素をコードするGA3酸化酵素である可能性が高くなった。転写因子として働くのでPAT2と転写関連因子タンパク質間の相互作用を解明する必要がある。そこで可能性のあるタンパク質MIF、GAF1、DELLAとPAT2との相互作用を解析するために、これらのタンパク質を小麦胚芽無細胞タンパク質合成系で合成した。今度、AlphaScreen法でPAT2との相互作用を解析する予定である。また、子房組織成長期におけるこれら遺伝子の発現を定量PCRで解析した。その結果、GA3ox1gが子房組織生育初期にPAT2に抑制されていると推定された。また、3種類のMIFのうちMIFbがPAT2の機能を抑制していると推測された。GAF1遺伝子は5種類あるが、これらの発現は顕著な違いを示すものは同定できなかった。これらについて、さらに解析が必要となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析に必要なPAT2タンパク質と相互作用する候補のタンパク質を小麦胚芽無細胞タンパク質合成系でいくつか合成することはできた。
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Strategy for Future Research Activity |
解析に必要なPAT2タンパク質と相互作用する候補のタンパク質を小麦胚芽無細胞タンパク質合成系でいくつか合成することはできたが、全てが合成できたわけではない。既に小麦胚芽無細胞タンパク質合成系ではなく、大腸菌で発現させたが、うまく可溶化できていなかった。これらの点を検討する必要がある。さらにAlphaScreen法でPAT2との相互作用の解析を早急に始めることが重要である。
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Causes of Carryover |
繰越額は少額であり、次年度の使用額に大きな影響はないので、特に使用額を0にする必要はないと判断した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰越額は少額であり、通常に使用すれば特別に計画を立てなくとも使用可能である。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Identification of a xylem sap germin-like protein and its expression under short-day and non-freezing low-temperature conditions in poplar root.2016
Author(s)
Aohara, T., Mizuno, H., Kiyomichi, D., Abe, Y., Matsuki, K., Sagawa, K., Mori, H., Iwai, H., Furukawa, J. and Satoh, S.
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Journal Title
Plant Biotech
Volume: 33
Pages: 123-127
DOI
Peer Reviewed