2016 Fiscal Year Research-status Report
果実発育・成熟関連遺伝子の完全長cDNA配列と選択的スプライシングの網羅的解析
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16K14854
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
牛島 幸一郎 岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (20379720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門田 有希 岡山大学, 環境生命科学研究科, 助教 (30646089)
赤木 剛士 京都大学, 農学研究科, 助教 (50611919)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Iso-seq |
Outline of Annual Research Achievements |
Illumina社のHiSeqに代表される第2世代の次世代シークエンサー(NGS)の登場により,ゲノム,トランスクリプトーム研究は劇的な変化を遂げた.HiSeqでは1度の解析でGbp単位のデータが得られ発現解析には適しているが,リード長が100 bp前後と短く遺伝子配列を明らかにするにはリードをつなぎ合わせるde novo assemblyが必要である.しかし,高等生物では1遺伝子座から多数のsplicing variantsが転写されるため,transcriptomeであっても,de novo assemblyは困難である.近年,PacBioやNanopore社などから10 kbp以上の長鎖を解読可能なシークエンサーが発表され,Iso-seqと呼ばれる転写産物の解析がモデル生物では盛んになってきた.そこで,本研究では園芸作物であるメロンやカキなどでIso-Seq解析とHiSeqを利用して発現の量的・質的な動態を調査する. 平成28年度は,カキに関しては果実成長の後期でのエチレンへの反応性の品種間差異を,エチレン合成と果実軟化の観点から調査した.さらに,RNA-seq用のサンプリングも行い,平成29年度にRNA-seq解析を行う予定である.メロンに関しては, PacBioRSIIを利用したIso-Seq解析は高価なため,様々な条件検討が困難であると考えられた.そこで,比較的安価なNanoporeを利用してライブラリー構築の条件検討を行うことにした.成葉,果実のRNAからSmarter cDNAライブラリーキットを利用して,ライブラリーを構築しNanoporeの1D kitでシークエンスを行った.1セルあたり200万リードを得ており,十分なデータ量が得られることが明らかとなった.現在,得られた配列のの評価をおこなっているところである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2つの非モデル植物を材料としており,カキに関してはtranscriptome解析用のサンプリングなどが完了し,解析を実行するだけの状況になっている. メロンに関しては,条件検討が予定していた程は進んでいないが,気軽で迅速に解析が出来るNanoporeが利用可能である事が明らかとなったことで,今後の解析のスピードアップがはかれると期待される.
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Strategy for Future Research Activity |
カキに関しては,このままRNA-seq解析をおこなう. メロンに関してはIso-seq解析のためのライブラリー構築について条件検討を続ける.ライブラリー構築法が確立されたら,Nanoporeだけでは無くPacBio Sequelの利用も検討しつつ大規模な解読を行う予定である.
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Causes of Carryover |
メロンのIso-seqライブラリー構築に関して,当初は高価なPacBioの利用を検討していた.年度途中でNanopore社が同等のスペックで安価なシークエンサーの発売を開始したので,条件検討についてはNanoporeを利用することにした.そのため,シークエンス解読料を抑えることが出来た.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1回あたりの解読料を抑えることが出来たので.詳細な条件検討を実施する.また,本番の解読についても解読料の増強を予定している.
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