2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study on Effective Growth Method of Plants Using Microwave Stimulation
Project/Area Number |
16K14856
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
堀越 智 上智大学, 理工学部, 准教授 (50424784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 麻実子 国立研究開発法人理化学研究所, 生命システム研究センター, 研究員 (20582133)
鈴木 伸洋 上智大学, 理工学部, 助教 (50735925)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マイクロ波 / 植物育成 / 遺伝子解析 / シロイヌナズナ / 電磁波効果 / イチゴ / 熱ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
半導体式発振器を協力企業と共に開発し、この発振器を用いた高精度マイクロ波照射装置を試作した。シロイヌナズナ(モデル植物)へマイクロ波の条件(出力、時間、パルス)を変えて照射を行い、その特徴を観察した。この時の植物に対するマイクロ波照射状況を実験的に観測することは困難であったため、電磁気解析シミュレーションを用いて理論的に可視化を行った。その結果、正確で均一にマイクロ波が植物に照射できることを証明した。 本技術では、マイクロ波における熱的な影響ではなく電磁波としての影響が植物育成に影響していると仮説を立てていたが、サーモグラフィーや光ファイバー式温度計を用いて正確な温度測定を行うことでこの仮説が正しいことを証明した。さらにヒートショックプロテインの定量を行ったところ、その結果からも同様な結論を得ることができた。また、幼若期(発芽後10日以内)、成熟栄養成長期(発芽後2~3週間程度、開花前)および生殖成長期(開花以降)のシロイヌナズナにマイクロ波を照射し、根、葉および生殖器官への影響を調査し、マイクロ波照射時期によって大きな変化が現れることを明確にした。特に、最適時期を外してマイクロ波照射を行っても、その効果は少ないことが明確になった。さらに葉緑素やアントシアニンなどの色素を調べたところ、その含有量が変化することが分かった。マイクロアレイ分析を駆使して、種々の遺伝子に対する分析を行ったところ、一部の遺伝子がマイクロ波によって活発化されることを突き止めた。実用植物としてイチゴの育成を行い、マイクロ波を照射することで高温でも品質の高いイチゴの実をつけることが分かった。また、新たな知見として、マイクロ波処理をすることで害虫忌避効果が向上することが分かった。
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