2019 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular basis of activation of plant immune system by atomasphic plasma irradiation and its application to plant disease control
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16K14858
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 英樹 東北大学, 農学研究科, 教授 (20197164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 俊郎 東北大学, 工学研究科, 教授 (30312599)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 大気圧プラズマ / 活性酸素種 / 植物免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
プラズマは固体、液体、気体に次ぐ第4の物質の状態であり、反応性が高く、活性酸素など様々な活性種を生成する。活性酸素は植物免疫にも重要な役割をもつが,プラズマ照射によって生じる活性酸素の植物免疫への関与は十分に検討されていない。本年度は、シロイヌナズナを用い、プラズマ照射による植物免疫の活性化の有無を検討した。まず,プラズマ照射によるダメージを調べるため,プラズマを2, 5, 30秒間照射した植物の葉からの電解質漏出を解析した結果、30秒照射で明らかな電解質漏出が認められ、葉にもダメージが確認された。一方,2, 5秒照射ではコントロールと有意な差は認められなかった。その際の防御関連遺伝子の発現を解析した結果、プラズマ5秒照射によってPR1の発現が一過的に上昇することが分かった。さらに、大気圧プラズマを含むガス(プラズマガス)をシロイヌナズナに照射することで、キュウリモザイクウイルス(CMV)の増殖を減少させることができることが明らかになった。 次に、2種類のプラズマ発生装置[Short plasma jet(SPJ、従来型)及びLong plasma jet(LPJ)]を用いたプラズマガス照射とLPJで生成したプラズマを水に溶解したプラズマ水の噴霧による植物への影響を比較した。その結果、LPJによるプラズマガス照射やプラズマ水噴霧ではSPJに比べて植物体へのダメージが少なく、30秒の処理でも植物体のダメージは認められなかった。その際の防御関連遺伝子の発現変化を調べたところ、LPJではPR1の発現に加えPDF1.2やChiBの発現が顕著に誘導され、プラズマ水噴霧による応答はSPJと類似していた。以上の結果から、プラズマの照射条件を変化させることで、植物へのダメージを減少させつつ効果的に植物免疫を活性化できることが示唆された。
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