2018 Fiscal Year Annual Research Report
Action mechanism and physiological function of coproporphyrins, novel bacterial growth factors
Project/Area Number |
16K14876
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
重冨 顕吾 北海道大学, 農学研究院, 講師 (20547202)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Growth factor / coproporphyrin / zincphyrin / Actimobacteria / Firmicutes / Proteobacteria / Heme biosynthesis |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では新たな微生物増殖因子であるcoproporhyrin類の作用と生理機能について以下の検討を行った。 [1] 中心金属である亜鉛は必要十分な要素か...多様な金属錯体を用いた構造活性相関検討の結果、当初増殖因子として見出されたzincphyrinにおける亜鉛は活性に必ずしも必須の要素ではなく、培地中の亜鉛イオンが自発的に取り込まれたものであると推定された。一方でzincphyrinがcoproporphyrin類高い活性を示すのは事実であるため、これが鉄導入酵素であるHemQの良い基質であると推定するに至った。[2]ジンクフィリンはどのようにASN212株の生育を刺激しているか...上記構造活性相関ならびにゲノム解析により、zincphyrinが外因性のヘム生合成前駆体としてASN212株の不完全なプロトヘム生合成を補完していることを明らかにした。これによりASN212株は生育が可能になっていると結論した。また、zincphyrinの共生系における定量は培地中における亜鉛イオンの解離の可能性があったため、これを検討しないこととした。[3]ジンクフィリンの生育促進活性に普遍性はあるのか...各種菌叢サンプルを用いてcoproporphyrin IIIによる生育促進活性の普遍性に検証した。メタゲノム解析の結果、Firmicutes門ならびにgamma-Proteobacteria門に属するいくつかの細菌類が直接的もしくは間接的にcoproporphyrin IIIの生育促進活性を受けることを見出した。[4]放線菌の生育・生産性に影響を与えるか...Actimobacteria門属細菌に対する活性を評価した結果、多くの当該門細菌が増殖阻害を受けていることを見出した。Coproporphyrin類が活性酸素生産能を持つことからこのような増殖阻害を示していると結論した。
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