2019 Fiscal Year Annual Research Report
Involvement of indoleacetic acid biosynthesis in metamorphosis of the moon jellyfish.
Project/Area Number |
16K14916
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
国吉 久人 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 准教授 (60335643)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | ミズクラゲ / 変態 / インドール酢酸 / 生合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
ミズクラゲ幼生体内に存在するIndole-3-acetic acid (IAA) Tryptamine (TAM)を分析するため、ポリプ、ストロビラ、エフィラのそれぞれについて、段階的にメタノール抽出、2%NaCl水抽出をおこない、ODSカラムを用いた逆相HPLCに供した。225 nmの吸収でモニタし、IAAとTAMの標品と同程度の保持時間を示したピークを分取し、高性能ハイブリッド型質量分析システム(Thermo Fisher Scientific製・LTQ Orbitrap XL)による精密質量測定をおこなった。その結果、いずれのピークもIAAとTAMの分子量・分子式と一致せず、ミズクラゲ幼生体内におけるIAA、TAMの存在を確認できなかった。 TAMによる変態阻害活性について、投与条件(濃度、投与時期)を変えながら、組織化学的分析も組み合わせて詳細な特徴づけをおこなった。TAMは変態中の分節形成を停止させるとともに、その後のエフィラ(クラゲ)の形態形成も阻害した。一方、BrdUラベル法によりTAM投与個体での細胞増殖を可視化した結果、非投与個体と比較して細胞増殖の阻害は認められなかった。申請者の研究室での先行研究で、分節形成とエフィラ形態形成には細胞増殖が必要であることが見出されているが、TAMは細胞増殖後のステップで作用していることが明らかとなった。さらに、分節形成中にTAMを投与した場合、エフィラの代わりにポリプとしての形態が復活している可能性が示唆された。
|
Research Products
(2 results)