2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K14924
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北浦 靖之 名古屋大学, 生命農学研究科, 講師 (90442954)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 分岐鎖アミノ酸 / 心臓 |
Outline of Annual Research Achievements |
必須アミノ酸である分岐鎖アミノ酸 (BCAA: Branched-chain amino acid) の分解を心筋・骨格筋で特異的に促進させ、BCAAが低下した遺伝子改変マウスにおいて、生存率の低下、心臓重量の増加を見出した。本研究では、このマウスの心臓における生理学的、組織学的、生化学・分子生物学的変化を継時的に解析し、BCAA 低下による心肥大誘導メカニズムの解明を目的とする。本研究により、このマウスが新たな心肥大のモデル動物として利用できるとともに、BCAA 不足と心肥大の関連について明らかにすることで、心肥大予防のためのアミノ酸栄養について有益な情報を提供できると期待される。BCAA による心機能維持の解明はアミノ酸栄養領域では新しい試みであるとともに、心肥大予防に寄与しようとする健康寿命の促進に貢献できる。BCAAの心筋・骨格筋における生理機能を検討するために、Cre-loxPシステムを用いてBDKを心筋・骨格筋特異的に欠損させ、BCAA濃度を低下させたマウス(BDKflox/flox; creatine kinase-Cre マウス: BDK-mKO) を使用し、心筋・骨格筋中BCAA濃度が正常なControlマウスとして、BDKflox/floxマウスを用いた。それぞれ通常食 (RD: Regular Diet, Protein 20 kcal%)、低タンパク質食 (LPD: Low Protein Diet, Protein 8 kcal%)、高脂肪食 (HFD: High Fat Diet, Fat 60 kcal%)を与え、約3ヶ月齢まで飼育したマウスでは、BDK-mKOマウスとコントロールマウスとの間で、心肥大関連遺伝子発現に有意な変化は見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、約3ヶ月齢まで飼育したマウスについて解析を行っており、今後、さらに長期間飼育したマウスについて解析を行うため、引き続きマウスを飼育している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
約12ヶ月齢および18ヶ月齢まで長期飼育したマウスについて、心拍数などの生理学的解析、心筋細胞の肥大など組織学的解析、分子レベルの変化など生化学・分子生物学的解析を行う。
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Causes of Carryover |
約3ヶ月齢のマウス(若年マウス)について、心肥大関連遺伝子だけでなく、他の遺伝子群(炎症マーカーなど)について解析を行う必要があるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
炎症マーカー遺伝子群の発現を調べるために必要なプライマー、リアルタイムPCR試薬などを購入する。
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