2017 Fiscal Year Annual Research Report
Constitutive and structural changes of membrane microdomains and lipid accumulation control by food chemicals
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16K14928
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中村 宜督 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (60324381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 陽二 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (30305693)
中村 俊之 岡山大学, 環境生命科学研究科, 助教 (90706988)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 食品 / 生体分子 / 分析化学 / 生化学 / 膜マイクロドメイン / インスリン / イソチオシアネート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「難吸収性食品成分が有する機能性の統合的理解を目指した評価モデルシステム」を構築し、その有用性を確証すること目標として、膜マイクロドメインを構成する要素の組成変化を誘導する食品成分を探索し、同定膜マイクロドメインを修飾する食品成分がインスリンシグナル伝達に与える影響明らかにしようとした。本年度の成果を以下に示す。 1) 昨年度、インスリンシグナル伝達を修飾する食品成分として同定したbenzyl isothiocyanate(BITC)がインスリン誘導性のphosphatidylinositol 3-kinase(PI3K)及びAktのリン酸化を増強し、大腸がん細胞の生存経路を活性化するだけでなく、脂肪細胞のグルコース取込みを増加させることを見出した。 2) PI3K阻害剤はBITCの細胞増殖抑制作用、アポトーシス誘導作用を増強するだけでなく、オートファジー関連分子の活性化やp62依存的なNrf2活性化を抑制した。PI3K阻害剤はBITCが誘導する薬剤耐性機構を阻害することで、BITCの抗がん作用を増強することが示唆された。 3) PI3K阻害剤はBITCによる脂肪細胞のグルコース取込み増強を抑制した。 4) 膜マイクロドメイン構成要素の組成変化を誘導するmethyl-β-cyclodextrin(MβCD)は、BITCが誘導するAktのリン酸化を、膜マイクロドメインのコレステロール低下作用を介して抑制するが、Aktの膜移行には影響を与えないことを明らかにした。また、MβCDはBITCの細胞増殖抑制作用、アポトーシス誘導作用を増強することを見出した。
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Research Products
(11 results)