2017 Fiscal Year Annual Research Report
Functional evaluation of the genes acting for drought adaptation by using beech seedlings
Project/Area Number |
16K14935
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
赤田 辰治 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (10250630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥丸 猛 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (10546427)
大宮 泰徳 国立研究開発法人森林研究・整備機構, その他部局等, 主任研究員 等 (70360469)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ブナ(Fagus crenata) / 乾燥応答 / 食害応答 / MYB転写因子 / エピジェネティック / メチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物のMYB転写因子は色素の生合成や、乾燥、高塩濃度など様々なストレスへの応答に関与している。本研究ではブナにおけるR2R3MYB遺伝子ファミリーの中から、乾燥応答の候補遺伝子であるFcMYB1603とタンニン合成経路に働く傷害誘導性遺伝子であるFcMYB3202の塩基配列の地理的変異を調べた。FcMYB3202の塩基多様度解析では日本海側集団(同義置換サイト:0.0045、非同義置換サイト:0.0019)が太平洋側集団(0.0028と0.0009)より高い値を示した。FcMYB1603に関しては、同義置換サイトでは日本海側集団(0.0069)よりも太平洋側集団(0.0118)が高く、非同義置換サイトは太平洋側集団(0.0037)よりも日本海側集団(0.0040)が高くなった。これらの結果からTajima’s Dを算出し形質が地域固有の自然環境に適応するための自然選択を受けていたかどうかを評価した。 一方、FcMYB3202の機能的解析により、摘葉処理によって発現が誘導されるが、摘葉後の腋芽から展開した葉においても発現量の増大が観察されることが判明し、エピジェネティックな調節が想定された。そこで、FcMYB3202のプロモーター領域の構造とメチル化修飾の解析を行った。その結果、バイサルファイトシーケンス及びMcrBC解析により、全摘葉処理後の展開葉において5’隣接領域のメチル化が高まることが判明し、特にRNAポリメラーゼの認識配列TATAボックス近傍でのメチル化変動が大きく、塩基配列からも上記の領域にはC塩基のメチル化維持に寄与するCG及びCHG配列が少ないことから、メチル化変動が起こりやすい一次構造が進化してきたと想定された。
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Research Products
(3 results)