2017 Fiscal Year Annual Research Report
Proposal of "Barkology" - Material dynamics on bark-
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16K14939
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹中 千里 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (40240808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富岡 利恵 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (40456588)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 樹皮 / イオン交換 / スギ |
Outline of Annual Research Achievements |
福島の原発事故に由来する放射性セシウムのスギにおける樹皮吸収のこれまでの研究結果を踏まえ、スギ樹皮における各種イオン透過性とプロトン交換について、コナラと比較しながら検討した。陽イオンとしては、ナトリウム、カリウム、セシウムを用いて、塩化物溶液として比較した。その結果、セシウムの場合には、樹皮の外側に放出されるプロトンの量が少なく、また内樹皮内への塩化物の輸送量が多いことが明らかになった。 一方、コナラでは樹皮の外側にプロトンは放出されないことが明らかとなり、樹幹流観測において、スギでは低pHであるのに対しコナラではpH低下が見られないことと一致した。また、コナラでも内樹皮内まで塩化物イオンは輸送されており、樹皮構造が全くイオンを通さないわけではないことが明らかとなった。 また、放射性セシウムの沈着が見られる福島で採取したスギ樹皮について、セシウムの化学形態をカリウムと比較した。その結果、カリウムでは水溶態が50%以上を占め、交換態が40%程度であるのに対し、セシウムは残渣画分が最も多く、交換態、水溶態の順であった。福島の試料では樹皮にセシウムボールのような不溶性セシウムが付着したままになっている可能性があるが、交換態、水溶態の量的関係ではカリウムとセシウムが異なることは明らかであり、樹皮から内部にとりこまれる際の動態も異なることが現場のデータからも示唆された。 さらに、樹皮からの養分吸収による苗木成長への効果を、スギ苗を用いて実験している。観察結果からは、樹皮に養分溶液を塗布している苗木は、塗布していないコントロールとは異なる生理状態であるように見受けられ、今後の化学分析の結果とあわせて解析を行う予定である。
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Research Products
(1 results)