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2016 Fiscal Year Research-status Report

非天然型セルロースの合成とその性質

Research Project

Project/Area Number 16K14957
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

高野 俊幸  京都大学, 農学研究科, 教授 (50335303)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 上高原 浩  京都大学, 農学研究科, 准教授 (10293911)
Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
Keywordsセルロース / L-セルロース
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、天然のセルロース(D-セルロース)の鏡像異性体である非天然型セルロース(L-セルロース)の合成を達成し、セルロースのD/L異性体に関する研究を新たに開拓することを研究目的としている。研究初年度であるため、学会発表や論文投稿までは至らなかったものの、本研究年度の研究実績は、以下の通りである。
(1)L-グルコース誘導体の反応性の検討: 最初に、L-セルロース合成の鍵となる縮合反応(グルコシル化)について、モデル的な反応を用いて、L-グルコース誘導体の反応性を検討した結果、L-グルコース誘導体の反応性は、D-グルコース誘導体の反応性とほとんど差がないことが判明した。この結果より、当研究室で開発された段階縮合法によるD-セロオリゴ糖の合成法および開環重合によるD-セルロースの合成法が、L型糖(L-セロオリゴ糖やL-セルロース)の合成にも適応できる可能性が高いことが示唆された。
(2)L-セルロースの合成の検討: 次いで、当研究室のD-グルコースオルトエステルの開環重合によるD-セルロース合成法にしたがって、L-グルコースからL-グルコースオルトエステルの合成までを少量スケールで検討したところ、この合成経路の各反応の場合でも、ほぼ同様な反応性を示し、L-グルコースオルトエステルの合成が可能であることが示唆された。このように、開環重合前までの合成に目途がたったことから、今後、大量スケールでL-グルコースオルトエステルを調製し、開環重合によるL-セルロースの合成を図る予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究開始前に懸念されたL-グルコースとD-グルコースの反応性の差の問題について、L-セルロース合成の鍵となる縮合反応のモデル反応を用いて両者の反応性の差を検討した結果、両者の反応性にほとんど差がないことが判明した。また、当然のことではあるが、L-グルコース誘導体のNMRスペクトルは、対応するD-グルコース誘導体のNMRスペクトルと同一であり、光学的性質(旋光度データ)のみ異なることも確認された。
次いで、当研究室のD-グルコースオルトエステルの開環重合によるD-セルロース合成法にならい、少量スケールでL-グルコースからL-グルコースオルトエステルの合成を検討したところ、ほぼ同様な合成が可能であることが示唆された。
現状、研究は、L-セロオリゴ糖やL-セルロース合成の途中の段階であるものの、ほぼ当初の研究計画通り、進捗してきており、研究二年度に繋げていきたいと考えている。

Strategy for Future Research Activity

研究開始前に最も懸念されたL-グルコースとD-グルコースの反応性の差の問題がなかったことから、当初の研究計画通り、当研究室で開発された段階縮合法によるD-セロオリゴ糖の合成法および開環重合によるD-セルロースの合成法をL-グルコース誘導体に適用し、L-セロオリゴ糖およびL-セルロースの合成を行う予定である。とくに、後者の開環重合ついては、大量スケールでL-グルコースオルトエステルを調製し、L-セルロースの合成を早急に図りたいと考えている。なお、D-セロオリゴ糖やD-セルロース合成が成功した段階で学会発表などを予定している。

Causes of Carryover

グルコースオルトエステルの開環重合による非天然型セルロースの合成では、専用の重合反応装置が必要であり、現有の重合反応装置の再整備を行う予定であったが、本年度は、合成条件の見直しなどに時間を要し、研究が開環重合の手前のグルコースオルトエステルの合成までであったので、重合反応装置の再整備まで至らなかったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

研究自体は、順調に、開環重合の手前まで来ているので、現有の重合反応装置の再整備を行い、次年度は、非天然セルロースの合成を達成したいと考えている。

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Published: 2018-01-16  

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