2017 Fiscal Year Research-status Report
魚類の行動を支配するニューロンの活性を人為的に操作する
Project/Area Number |
16K14981
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大久保 範聡 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (10370131)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 水産学 / 生理学 / 脳・神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
もしも魚類において、各種の行動を任意のタイミングで人為的に操作することができるようになれば、将来的に、水産増養殖や水産資源管理に大きく貢献する技術になり得ると考えられる。そこで我々は、行動を制御する特定のニューロンに、ニューロンの活性を上昇あるいは低下させることができる人工受容体を強制発現させ、そこに人工リガンドを投与すれば、魚類の各種行動を任意のタイミングで人為的に操作することが可能になるのではないかと考えた。そのような考えのもと、本研究では個体の生理状態や周囲の環境条件によらず、特定の行動を任意にオン・オフできるメダカ(Oryzias latipes)を作出することを計画した。本年度はまず、論文や学会等で得られた最新の情報をもとに、ニューロンの活性を上昇あるいは低下させる人工遺伝子の種類とメダカへの導入方法を再検討した。その結果、従来想定していたデザイナー人工受容体(designer receptors exclusively activated by designer drugs:DREADD)だけでなく、カプサイシン受容体の遺伝子も試してみること、また、bacterial artificial chromosome(BAC)クローンを用いたトランスジェニックではなく、CRISPR/Cas9を用いたゲノム編集によるノックインによって、メダカに導入することとした。その後、実際にDREADDやカプサイシン受容体のDNAコンストラクトをいくつか完成させ、Cas9とともに、メダカ胚へのマイクロインジェクションを行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
学会等で得られた最新の情報をもとに、本研究に用いる人工遺伝子の種類とメダカへの導入方法を再検討することとしたが、その作業に時間がかかってしまったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
期間を1年間延長することにしたので、その間に精力的に研究を進めていく。
|
Causes of Carryover |
学会等で得られた最新の情報をもとに、本研究に用いる人工遺伝子の種類とメダカへの導入方法を再検討することとしたが、その作業に時間がかかってしまったため、期間を1年間延長することとした。引き続き、変異体メダカの作出に取り組んでいく。
|