2018 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular understanding of the egg capsule formation in the REISHIGAI, Thais bronni
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16K14988
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
岡野 桂樹 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (40147070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黄 裕謙 秋田県立大学, 生物資源科学部, 研究員 (80769547) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 卵嚢タンパク質 / レイシガイ / トランスクリプトーム / アミン酸化酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
レイシガイのトランスクリプトーム解析を行い、卵嚢形成期の卵嚢形成器官(capsule gland)に特異的かつ高発現する遺伝子を探索したところ、ヨーロッパバイ貝のegg capsule proteinのホモローグが見いだされた。そのうち、発現量が特に高い2種類(特異的発現遺伝子上位top2)について、抗ペプチド抗体を作製し、卵嚢のパラフィン切片を用いて、免疫染色を行った。その結果、2種類のタンパク質とも、卵嚢に存在することが判明した。この結果はこれらの遺伝子産物が卵嚢形成器官でつくられ、卵嚢中に蓄積されることを意味しており、これらがいわゆるレイシガイの卵嚢タンパク質であることが判明した。そのため、これらをTb-egg capsule protein-1 (Tb-ecp1)およびTb-egg capsule protein2 (Tb-ecp2)と命名した。興味深いことに、Tb-ecp1は卵嚢の接合部の芯部分に特に分布したのに対し、Tb-ecp2は卵嚢全体の特に表層部に分布した。この結果から、複数あるegg capsule protein群は複雑な卵嚢を形成するプロセスの中で、それぞれが重要な役割を果たす可能性が明らかになった。 一方、同様に卵嚢形成期の卵嚢形成器官に特異的かつ高発現する遺伝子として見出されたアミン酸化酵素についても、同様に抗ペプチド抗体を作製し、卵嚢のパラフィン切片を用いて、免疫染色を行った。その結果、卵嚢全体に比較的一様な染色が見られた。上記レイシガイのegg capsule protein群は塩基性アミノ酸であるリジンの含量が約10%と高く含まれるのが特徴であるが、この結果からみて、レイシガイの卵嚢は、リジンのアミノ基が酸化的に架橋重合することで、強度を保つとともに微生物からの分解を防いでいるものと思われる。
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Research Products
(1 results)