2017 Fiscal Year Research-status Report
インバウンド時代の農村ツーリズムとホスピタリティの効率性評価経済学の基礎構築
Project/Area Number |
16K14996
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大江 靖雄 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 教授 (60302535)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 農村ツーリズム / 経営効率性 / 農村ホスピタリティ / DEAモデル / ストレス軽減効果 / 森林セラピー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、以下の研究実績を達成した。1)鳥取県智頭町における森林セラピーリーズムを対象として、その生理的・心理的効果について、実証した結果、森林セラピープログラムの参加により血圧の低下とその効果が数日継続すること、そして心理面でのストレス軽減の効果がみられ、その効果も数日継続することを、解明した。しかし、高齢化の進展で、新たな民泊世帯の確保が困難になってきている。その対策として、新規移住者の民泊提供、都市部の企業による研修プログラムの実施、他地域の温泉地域との広域連携などが試みられていることが明らかとなった。 2)酪農教育ファームの後継者世代を対象としたアンケート調査結果から、DEAモデルを構築して、酪農教育ファームの活動水準と酪農生産との二つの部門を考慮した経営効率性の評価を行った。その結果、酪農教育ファームの活動水準の高い経営ほど経営効率性の高いことが判明した。この違いは、経営者のアイデンティティの違いに起因すると考えられる。 3)東日本大震災での被災した農家民宿を含む東方地域の宿泊施設へのアンケート調査結果から、営業再開に至る要因について、計量的な解析を行った。その結果、個人・家屋経営であるほど営業再開に時間がかかること、また復興工事関係者の受け入れしているほど、宿泊高速道路ICからの距離が短いほど再開が早いことが判明した。今後、復興需要が縮小する中で、オリジナルな地域資源を活用した活動や、ダークツーリズムなどの教育的活動の重要性が増すと考える。 4)東京スカイツリー周辺に立地する飲食店への、スカイツリー開業による飲食店の経営面への効果について経営者へのアンケート調査結果から、計量的に解析した結果、400m圏内で経営上の便益をより受けていることが判明した。また、ネット系の食べログやSNS 等の利用の有効性が確認されたため、新しいメディア活用も新規客獲得に有用であるといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究成果のとりまとめが順調に進み、海外での学会やセミナー8回(うち4回招待)、および国内学会及びセミナー9回(うち2回招待)の発表を行った。さらに、海外誌でいずれもインパクト・ジャーナル2本の論文を公表するとともに、国内誌に2本の論文の掲載を達成した。そのうち、海外誌では、観光研究の世界トップジャーナルTourism Management誌(インパクト・ファクター4.707)に論文を公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に当たるため、現在調査を継続している課題について引き続き調査を行い、調査の完了とデータベースを完成して、研究中の課題分析のをとりまとめを行い、最終的な研究成果の公表の活動も平行して積極的に行っていく.
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Causes of Carryover |
予定した支出金額より少なく課題の実施が行えたためと、予定した調査が調査先の都合により次年度実施することとなったため、次年度に予算を使用することとした。
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Research Products
(36 results)