2018 Fiscal Year Research-status Report
農村政治モデルの変容と展望-農業経済学と政治学からの双対アプローチ-
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16K14998
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
飯國 芳明 高知大学, 教育研究部総合科学系黒潮圏科学部門, 教授 (40184337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上神 貴佳 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (30376628)
遠藤 晶久 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 准教授 (80597815)
小川 寛貴 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 講師 (80825258)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 農村 / 自治 / 中山間地域 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、1)議員・区長アンケートを実施するために必要な準備作業を完了した。また、2)平成の大合併が農村自治に与える影響を検証するため、平成の大合併の際に単独で存続した高知県大豊町(主調査地域)と近隣の自治体の投票率などを比較検討した。 このうち、区長アンケートについては、区長懇談会の役員を対象に調査の主旨を説明してアンケート実施の了解を得るとともに、役員の視点からみた町内の現状及び課題に関するインタビュー調査を実施した。議員アンケートに関連しては、2019年2月に実施された町議会議員選挙の結果を受けて、立候補者の基盤や行動に関わるインタビュー調査を行った。 合併に関わる調査は、大豊町及びそれを含む高知県嶺北地域と呼ばれる地域に属する2つの町村(大川村、旧本川村)を対象とし、平成期の合併前後の町議会議員選挙への投票率を指標として、自治への参加の変化を比較検討した。3つの町村を比較すると、大豊町の投票率は低下傾向にありながらも、高位で安定的に推移している点が認められた。これに対し、旧本川村は山間部の吾北村だけでなく平坦部の伊野町と合併したため、人口規模・自治体の面積とも飛躍的に増加・拡大した。この結果、合併後に町議会議員選挙への投票率は急速な低下がみられた。また、人口が400人ほどの大川村では立候補者が定員に満たないという事態が発生する危険性が高まっており、従来にない局面と新しい対処の必要性が認められた。 後者の分析結果は、2018度の日本農業経済学会において「中山間地域問題の新局面-所有者不明土地と農村自治-」のテーマで報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初は3年計画で研究を完了する予定であった。しかし、アンケートの実施方法を大幅な見直を行ったため、1年の期間延長を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度には、これまでのインタビュー調査および統計調査を踏まえて、町内の全議員および全区長を対象としたアンケート調査を実施する。この調査によって農村内の2層の意識・行動構造および両者の関連などを検出する。
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Causes of Carryover |
過去2年の調査結果に基づいて、本研究の柱となっているアンケート調査の設計を大幅に変更した。このため、同調査が遅れて使用額の不一致が生じた。
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Research Products
(3 results)