2017 Fiscal Year Annual Research Report
Production of fatty liver in culled layer-chicken-manipulation of hepatic lipid metabolism in chicken
Project/Area Number |
16K15024
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松井 徹 京都大学, 農学研究科, 教授 (40181680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友永 省三 京都大学, 農学研究科, 助教 (00552324)
白石 純一 日本獣医生命科学大学, 応用生命科学部, 助教 (50632345)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脂肪肝 / ニワトリ / メチオニン / コリン / フルクトース / ビタミン E |
Outline of Annual Research Achievements |
廃鶏の肝臓中脂肪含量を高め脂肪肝(白肝)を生産することを目的とし、昨年度に実施できなかったメチオニン・コリン制限時の血漿中遊離メチオニン濃度を測定した。メチオニン・コリン制限は血漿中遊離メチオニン濃度に影響を及ぼさなかったことから、廃鶏のメチオニン及びコリンの要求量は著しく低く、本試験で用いた飼料のメチオニンおよびコリン含量では、コリン欠乏は生じなかったことが示された。 また、0、10、20%のフルクトースを配合した飼料の3週間給与が肝臓の脂質含量に及ぼす影響を検討するとともに、フルクトース摂取が廃鶏の肝臓における代謝に及ぼす影響を検討した。併せて、昨年度の試験で、廃鶏の肝臓には多くの炎症像が認められたため、飼料にビタミンEを要求量の2倍の60 mg/kg添加する試験も行った。フルクトース給与量の増加に伴い体重増加量は減少した。一方、フルクトース給与は飼料摂取量および肝臓中脂肪含量に影響を及ぼさなかった。ガスクロマトグラフ-質量分析計を用いた網羅的半定量分析によって、肝臓中で79種の代謝産物が同定され、その中でフルクトース給与量の増加に伴い増加した代謝産物はβ-アラニン、ガラクチノール、マンニトールであり、減少した代謝産物は尿酸であった。マンニトール代謝は動物では生じないと考えられているが、乳酸菌などの細菌はフルクトースからマンニトールを産生することが知られている。したがって、フルクトースを摂取したニワトリの腸管内で産生されたマンニトールが吸収され肝臓に蓄積した可能性が示唆された。 ビタミンE添加は、肝逸脱酵素の血清中活性に影響を及ぼさず、また、肝臓では壊死巣を含む炎症像の発生に影響を及ぼさなかった。この結果から、廃鶏の肝臓を食品として用いる際には、ビタミンE以外の補給によって、炎症反応を改善させる必要があることが示唆された。
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