2016 Fiscal Year Research-status Report
RNA編集システムを用いた新奇の鳥インフルエンザウイルス不活化戦略
Project/Area Number |
16K15038
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀本 泰介 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (00222282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 晋 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (10636757)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、新奇の革新的RNA編集テクノロジーであるCRISPR/FnCas9システムを動物のウイルス感染症治療へ応用する。この目的のため、ウイルスベクターとCRISPR/FnCas9システムを融合させる独自の方法を開発し、これまで困難とされるRNAウイルス感染症、具体的には鳥インフルエンザの制御を目指す。その成果は、新しい抗インフルエンザ戦略としてのブレイクスルーとなる方法論を提供すると期待される。 用いる方法として、CRISPR/FnCas9システムに必須なrgRNAとFnCas9をそれぞれ発現するインフルエンザウイルスベクターを構築し、それらを鳥インフルエンザウイルス感染動物に投与することでウイルスRNAを切断・不活化し、ウイルス増殖を抑制するという革新的な戦略である。 本年度は、実際にインフルエンザウイルスゲノムを標的とする前に、システムの実現性を評価するためのコントロール実験として、GFPレポータ遺伝子のmRNAを標的にしたrgRNAを発現するウイルスベクターの構築を試みた。標的として複数の塩基配列をデザインして赤血球凝集タンパク質(HA)遺伝子分節の中に組み込み、リバースジェネティクスを用いて非増殖型の組み換えウイルスのレスキューを試みたが、期待するものは得られなかった。次に、構築法を変更するために、ノイラミニダーゼ(NA)遺伝子分節を用いて同様の組み換えウイルスの構築を試みた。しkしながら、現在まで有効な組み換えウイルスは得られていない。その原因として、挿入する塩基配列あるいはその長さがゲノムのウイルス粒子のパッケージングを阻害している可能性を考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、挑戦的萌芽研究が主題とするハイリスク研究であり、理論上は可能であると考えらるシステムではあるが、期待した通りには進展しなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画では、インフルエンザウイルスを標的とする前のコントロール実験として、GFPレポータ遺伝子のmRNAを標的にして今回提案するシステムが作動するかどうか検証した後、本実験に進むという方策であったが、挿入する遺伝子の配列によってはベクターウイルスがどうしてもレスキューできない経験は多々あるので、2年次は実際にインフルエンザウイルス遺伝子を標的として研究を進めることとする。
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Research Products
(1 results)