2016 Fiscal Year Research-status Report
シマリス脳の初代培養系を用いた冬眠特異的タンパク質の機能評価
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16K15060
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
関島 恒夫 新潟大学, 自然科学系, 教授 (10300964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武井 延之 新潟大学, 脳研究所, 准教授 (70221372)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 冬眠 / 神経幹細胞 / 培養 / シマリス / HP / 繁殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
5℃恒暗条件下における冬眠モニタリングにより、冬眠様式が決定された雌雄の冬眠タイプと非冬眠タイプを交配に供試した。交配は、自然日長条件下と20℃恒暗条件下で実施された。2015年6月より自然日長条件下で雌雄のシマリスを飼育し、発情の同期化を行ったところ、その後発情が誘発され、供試動物の約30%の雌において発情鳴きが認められた。発情した雌雄を同所させ交尾行動を観察したところ、冬眠タイプ同士の同型交配については、すべてのペアにおいて高頻度の交尾行動を誘発することができ、妊娠雌4頭を得ることができた。一方で、非冬眠タイプ同士の同型交配については、雌は発情したものの雄の発情が認められず、妊娠雌を得ることができなかった。また、20℃・恒暗条件下における交配に関しては、冬眠タイプ同士の同型交配による妊娠雌を3頭得ることができたが、非冬眠タイプ同士の同型交配については、雌の発情は認められるものの交尾には至らず、妊娠雌を得ることができなかった。冬眠タイプ同士の同型交配から得られた妊娠雌2頭より胎児を摘出し、以下に述べる神経系培養細胞の実験に供試した。 シマリス脳の細胞の培養については順調に進捗しており、神経細胞及び代表的なグリア細胞であるアストロサイトの初代培養に関しては培養系を完全に樹立した。神経細胞の同定には、e.jpMAP2, NeuNなどのマーカー蛋白に対する抗体を用いた免疫細胞化学染色を行った。アストロサイトに関しては、同様にGFAPの免疫染色で同定した。最も特筆すべきは、neurosphereの作成に成功し、大量の神経系stem cellの凍結保存できるようになったことである。シマリスの交配は現時点では年間で2ヶ月ほどしか可能ではなく、通年で実験を行うにはこのようなストックが欠かせない。stem cellから神経細胞への分化誘導も順調であり、いつでも冬眠シマリス由来の神経細胞を用いた実験が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
神経細胞及び代表的なグリア細胞であるアストロサイトの初代培養に関しては培養系を樹立したこと、また、培養条件の繰り返しの検討の結果、neurosphereの作成に成功し、大量の神経系stem cellを凍結保存できるようになったことである。これにより、いつでも冬眠シマリス由来の神経細胞を用いた実験が可能となったことから、当初予定より順調と判断した。なお、培養条件の詳細はラットあるいはマウスとは若干異なるため、現在論文発表の準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
神経系stem cellの樹立に成功したことから、冬眠特異的タンパク質(HP)の機能評価に向けたプラットフォームを用意できた。HPの機能評価はリコンビナントを用いたHPに加え、精製HPを使用する予定である。今年度は、リコンビナントHPの作成とともに、併せてこれまで収集してきたシマリス血漿を用いて精製HPを作成し、最終年度の中で神経培養細胞に対するHPの曝露を行い、細胞内のAMPKカスケードの応答を評価するところまで持っていきたい。
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Causes of Carryover |
本学の会計システムの運営上、年度内の3月末に購入・検収した物品について、支払いが4月となった物品費が今年度の執行にカウントされなかったことにより、次年度使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の物品費に計上する。
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Research Products
(2 results)