2016 Fiscal Year Research-status Report
乾燥・塩ストレス制御型タンパク質発現システムの開発
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16K15073
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
黄川田 隆洋 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門 新産業開拓研究領域, 上級研究員 (60414900)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 遺伝子発現 / プロモーター / 乾燥耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、極限乾燥耐性生物であるネムリユスリカがもつ乾燥・塩によって発現調節される遺伝子のプロモーターとその制御因子を同定することを基盤として、新規な乾燥・塩ストレス制御型タンパク質発現システムを開発することを目的としている。 今年度はその手始めとして、恒常発現プロモーターを単離した。具体的には、グリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素遺伝子 (PvGapdh)は、ネムリユスリカの培養細胞(Pv11)で恒常的に高発現している遺伝子の一つである。そのPvGapdh遺伝子の5'上流域を単離し、プロモーター領域を同定した。このPvGapdhプロモーターを使った発現ベクター(pPGK)を構築した。このベクターを利用することで、GFPやRFPといった蛍光タンパク質をPv11細胞に発現させることに成功した。ちなみに、ショウジョウバエやカイコで用いられている市販の発現ベクターでは、Pv11細胞にGFPを発現できない。本研究で得られたpPGKベクターを用いることで、GFP以外にもルシフェラーゼやCas9ヌクレアーゼなど多様な遺伝子をPv11細胞に発現させることが可能となった。 また、Pv11細胞のトランスクリプトーム解析(CAGE解析)も進めた。その結果、既に分かっていたLEA遺伝子やアクアポリン1遺伝子以外にも、複数の乾燥誘導性が存在することが明らかとなった。CAGE解析では転写開始点が判別できるため、プロモーターがゲノムのどの辺りに存在するか推定しやすくなる。次なるプロモーター同定実験に備え、現在、CAGE解析のデータベース化を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回の恒常発現プロモーターを用いた発現ベクター構築に成功したことで、乾燥誘導性プロモーターを利用したベクター構築の手本はできたといえよう。このベクター構築に関しては、論文として発表済みで有る (Sogame et al., Extremophiles, 2017)。現在、トランスクリプトーム(CAGE解析)の結果から、乾燥で最も半減誘導される遺伝子を同定している。従って、乾燥誘導性発現ベクターの構築は間違い無く行えると確信している。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の方法に準じて、乾燥誘導性遺伝子の5’上流を単離し、レポーターアッセイによるプロモーター同定を行う。領域が確定したなら、乾燥誘導性発現ベクターの構築を行う。得られたベクターをPv11細胞に遺伝子導入することにより、外来性遺伝子(GFPやルシフェラーゼ)が乾燥及び塩ストレスで発現誘導されるか調べる。
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Causes of Carryover |
ほぼ計画通りに予算消化できたが、発注計画を商品の定価ベースで計算していたため、実際の納入価との差が積算されて、7445円の残となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越した残金は、次年度の消耗品(合成DNAなど)の購入に充当する。
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Research Products
(29 results)
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[Journal Article] Establishment of gene transfer and gene silencing methods in a desiccation-tolerant cell line, Pv11.2017
Author(s)
Sogame, Y., Okada, J., Kikuta, S., Miyata, Y., Cornette, R., Gusev O., and Kikawada, T.
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Journal Title
Extremophiles
Volume: 21
Pages: 65-72
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Genetic background of enhanced radioresistance in an anhydrobiotic insect: transcriptional response to ionizing radiations and desiccation2017
Author(s)
Ryabova, A., Mukae, K., Cherkasov A., Cornette, R., Shagimardanova, E., Sakashita, T., Okuda, T., Kikawada, T., and Gusev., O.
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Journal Title
Extremophiles
Volume: 21
Pages: 109-120
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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