2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of community shared places by digital reproduction of landscapes lost by tsunami and analysis of memories
Project/Area Number |
16K15079
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
村上 暁信 筑波大学, システム情報系, 教授 (10313016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 幹子 中央大学, 理工学部, 教授 (30296785)
熊倉 永子 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (90716135)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 景観再現 / 記憶 / 津波被災 / 景観シミュレーション / VR |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は津波で失われた景観を再現したVRモデルを作成し,景観要素・場と記憶の関係,空間利用と日常生活との関係を分析することを目的とした。最初にプロシージャルモデリングの一つであるCity Engineを用いて,失われた景観の再現に取り組んだ。City Engineでは構文によってモデル形状やテクスチャのマッピングなどのルールを記述し,それを繋げて3次元モデルが作成される。この作業によりモデルを試作し,住民の方達に建築物で気になる点,違和感を感じる点を教えてもらい,精緻化に取り組んだ。その結果,日常景観の記憶を呼び起こすためには形状のルールだけでなく,染みや汚れ,サビといったテクスチャが重要になることが示された。そこで新たにリアルタイムレンダリングソフトを導入し,建物部材等の劣化を表現するようにし,記憶の中にある景観の精緻な再現を行った。精度が荒い段階ではただ「全く違う」としか言われなかったのが,家を風化させたり汚れを再現したり,細かい生活要素を入れていくと場にまつわる話を自然としてくれるように変わることが考察された。いきなり景色や景観を思い出してくれと言っても正確なものを思い出せないが,対象となる絵情報があればそれと記憶の中の景色を比較して違いを思い出すことが可能となり,さらに記憶の中の景色との違いを考える過程で場所に関する様々な記憶が引き出されることが本研究から明らかとなった。本研究で開発した景観再現手法は新聞等で紹介され,その後NHK放送局の依頼により,「特集明日へつなげよう震災から7年」の企画及び番組作成に協力することになり,番組は2018年3月11日に放送された。
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Research Products
(2 results)