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2016 Fiscal Year Research-status Report

mRNA分解と小胞体ストレス応答のクロストークによる小胞体恒常性維持機構

Research Project

Project/Area Number 16K15084
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

五味 勝也  東北大学, 農学研究科, 教授 (60302197)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
Keywords小胞体ストレス / mRNA分解 / 糸状菌 / アミラーゼ生産 / 小胞体膜貫通型エンドヌクレアーゼ
Outline of Annual Research Achievements

マルトースパーミアーゼ遺伝子 (malP) mRNA に加え、ジチオトレイトール添加により強制的に小胞体ストレスを誘導した場合には、α-アミラーゼ遺伝子 mRNA の切断も生じることが明らかになった。一方で、グルコアミラーゼ遺伝子の mRNA では切断によって生じる低分子の断片が観察されなかったことから、切断を受ける mRNA に選択性が存在することが示唆された。また、小胞体膜貫通型エンドヌクレアーゼである IreA の発現を抑制することで malP や α-アミラーゼ遺伝子mRNA 切断断片が生じなくなったことから、IreA によってこれらの mRNA が切断されていることが示された。さらに、野生株ではアミラーゼ生産条件で小胞体ストレスが誘導されていたのに対し、アミラーゼの発現を制御する転写因子 (AmyR) の破壊株では小胞体ストレスの誘導が著しく抑制され、amyR の破壊により malP mRNA の切断断片が検出されなくなった。以上の結果から、アミラーゼの生産によって誘導された小胞体ストレスにより IreA が活性化し、malP mRNA やα-アミラーゼ遺伝子mRNA を切断することが示された。
小胞体ストレスによって発現が誘導される bipA の発現を調べたところ、アミラーゼ発現条件において ski2 破壊株では野生株よりも発現量が増加していた。さらに、終始コドンを持たない nonstop mRNA の分解・翻訳に関わると推定される HbsA 及び Dom34 と ski2 との二重破壊株を作成した結果、アミラーゼ生産条件での生育が回復し、bipA の発現量が野生株と同等に低下した。また、ski2 と amyR の二重破壊株でも生育が回復したことから、アミラーゼ生産によって誘導される小胞体ストレスが生育の悪化に関与している可能性が示された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

malP mRNA に加えてα-アミラーゼ遺伝子 mRNA も小胞体ストレス依存的に切断され、これらの mRNA 切断が IreA によって行なわれていることが明らかなった。また、ski2 破壊株の生育悪化と小胞体ストレスとの関連性を示唆する結果が得られた。以上の結果より、研究計画に示したエンドヌクレアーゼの同定および小胞体ストレスと生育への影響については期待した通りの成果が得られており、順調に進展していると判断できる。一方、研究計画に示した切断によって生じた nonstop mRNA 分解機構の解析については、分解に関わると予想された HbsA および Dom34 の破壊により ski2 破壊株の生育回復・小胞体ストレスの緩和が観察されたことから、HbsA と Dom34 の機能解析を進めることで mRNA 切断のより詳細な分子機構を明らかにすることができる可能性が示された。

Strategy for Future Research Activity

HbsA と Dom34 は nonstop mRNA 上に停滞したリボソームを乖離させる因子であることが明らかとなっている。HbsA および Dom34 の破壊により ski2 破壊株の生育回復・小胞体ストレスの緩和が観察されたことから、切断によって生じた nonstop mRNA の翻訳が生育の悪化と小胞体ストレスの誘導に関わっている可能性が考えられる。そこで、GFP 融合 MalP を各遺伝子破壊株で発現させ、抗 GFP 抗体を用いたウェスタン解析により切断断片の翻訳産物の検出を試みる。また、最近の出芽酵母での研究により、nonstop mRNA からの翻訳産物の分解にユビキチンリガーゼ Ltn1 が必要であることが明らかとされたことから、Ltn1 オーソログの破壊による生育・mRNA 切断・小胞体ストレス誘導への影響について解析を行う。さらに、nonstop mRNA の蓄積と生育および小胞体ストレス誘導への影響の関係性を調べるため、人為的に終始コドンを欠失させたグルコアミラーゼ遺伝子を高発現させ、生育と小胞体ストレス誘導への影響を調べる。

Causes of Carryover

実験が順調に進んだこともあり、予定していたよりも試薬類が少なくてすんだため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度の実験に使用する消耗品費に充てる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2017

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Aspergillus oryzae requires unfolded protein response for growth under condition inducing amylases production2017

    • Author(s)
      Mizuki Tanaka, Takahiro Shintani, Katsuya Gomi
    • Organizer
      The 14th International Aspergillus Meeting
    • Place of Presentation
      Asilomar Conference Center, Pacific Grove, CA, USA
    • Year and Date
      2017-03-13 – 2017-03-14
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2018-01-16  

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