2017 Fiscal Year Annual Research Report
Endoplasmic reticulum homeostasis through the interaction between mRNA degradation and ER stress response in filamentous fungi
Project/Area Number |
16K15084
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
五味 勝也 東北大学, 農学研究科, 教授 (60302197)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 小胞体ストレス / mRNA分解 / 糸状菌 / アミラーゼ生産 / 膜貫通型エンドヌクレアーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
麹菌はマルトース存在条件下でアミラーゼを高生産するが、アミラーゼ生産に伴ってunfolded protein response(UPR)が誘導され、ireAの条件的発現株ではireAの発現を抑制することでアミラーゼ生産条件での生育が完全に失われ、アミラーゼの生産を抑制することで生育が回復したことから、麹菌のアミラーゼ生産条件での生育にUPR が必要であることが示された。しかし、UPRの抑制がアミラーゼ生産に与える影響については不明であったことから、今年度はireA発現抑制株のアミラーゼ生産について解析を行った。ireA発現抑制株のα-アミラーゼ生産を調べた結果、野生株と比較してα-アミラーゼの生産が著しく抑制された。IreAによって切断される20塩基のイントロンを人為的に欠失させたhacAを導入したところ、ireA発現抑制株のα-アミラーゼ生産が野生株と同等にまで回復した。このことからUPRがα-アミラーゼ生産に必要であることが示唆された。さらに、α-アミラーゼ遺伝子の転写産物量を調べた結果、ireA発現抑制株でも強い発現が認められたことから、UPRは転写後の過程においてα-アミラーゼの生産に必要であることが示唆された。ireA発現抑制株においてα-アミラーゼ遺伝子のプロモーターでbipAやpdiAを強制発現させた結果、pdiAを強制発現させた場合において、アミラーゼ生産条件における生育がわずかに回復した。また、いずれの強制発現株においても、α-アミラーゼの生産が有意に回復したことから、UPRによる分子シャペロン遺伝子の発現誘導がα-アミラーゼ生産に必要であることが示唆された。
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