2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16K15093
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
岡田 尚巳 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (00326828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 世志幸 日本医科大学, 医学部, 講師 (90415604)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脊髄小脳失調症 / 遺伝子治療 / CRISPRi / CACNA1A / HSVベクター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、無毒化したHSVにCRISPR-Cas9システムにおけるガイドRNA発現系を応用することで新規遺伝子治療技術を確立することを目標としていた。最終年度の計画は(1)無毒化HSVベクターの神経特異的転写活性領域であるTR領域に対してCRISPRiカセットを組み込んだCRISPRi-HSVの構築を行い、(2)作製したCRISPRi-HSVベクターについてin vitro、in vivoの系で機能評価を進めることであった。(1)について、前年度同様の方法にて、無毒化HSVゲノムTR領域へのCRISPRiカセットの組込みを完了した。また(2)について、CRISPRi-HSVベクターの機能評価を行うために、in vitroにおける発現解析を実施した。研究開始当初、マウス神経細胞モデルとしてNeuro2A細胞を選択したが、実験を進める中で、本細胞におけるCACNA1A遺伝子発現量は神経分化誘導時においても著しく低いことが判明した。そのため、遺伝子発現変動を評価するにはふさわしくないと判断した。現在マウス小脳初代培養系樹立を試み、発現・機能解析を進めている。また並行してin vivoにおける機能評価系の構築にも着手した。マウス小脳に対する無毒化HSVを用いた遺伝子導入が可能か調べるために、マウス小脳に対するレポーター遺伝子搭載無毒化HSVの投与試験を行った。現在、導入遺伝子の発現確認及び細胞毒性について評価を行っている。以上、本研究を通して、申請者らが開発した無毒化HSVベクターにCRISPR-Cas9システムを搭載した新規治療ベクターの開発に成功した。また立案に際して治療標的疾患とした脊髄小脳失調症(SCA)の責任遺伝子の発現抑制系を確立した。今後は、本研究の最終目標である、恒常的に疾患原因遺伝子発現を抑制しつつ、同時に治療遺伝子を供給するという新しい形の遺伝子治療法の構築に臨む。
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Research Products
(6 results)