2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of super functional alcoholic chemical hydride method and its application to the catalytic reduction of aromatic nuclei
Project/Area Number |
16K15100
|
Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
佐治木 弘尚 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (50275096)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 白金炭素 / 水素キャリアー / アルコール / 水 / 水素製造 / ケミカルハイドライド / メチルシクロヘキサン / マイクロ波 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 脱水素工程の吸熱が小さいアルコールから、白金炭素を利用した、水素取出し(脱水素)システムの確立を目指して研究を進め、マイクロウエーブフロー式水素製造技術の開発に成功した。なお、見かけの水素貯蔵密度が高いメタノールを使用すると、水素放出後の生成物がギ酸ナトリウムあるいは二酸化炭素となってしまうため、循環型有機ケミカルハイドライドとしては不適である事から、水素貯蔵密度は低いが、生成物となるアセトンへの水素付加が容易で、アルコールへの工業的再生法が確立されている2-プロパノールに特化して、実用化を意識した方法論の開発に集中した(論文投稿準備中)。 (2) さらにこの過程で、有機ケミカルハイドライド法の代表であるメチルシクロヘキサン (MCH)から、マイクロウエーブフロー反応によりエネルギー効率良く水素を取り出す事にも成功した。MCHからの脱水素は吸熱反応であり、外部からの多量のエネルギー投入が実用化の障害となっているが、マイクロウエーブフロー式反応では、投入エネルギーの90%以上が脱水素反応に使用されるため、エネルギー効率が飛躍的に向上した(論文投稿準備中)。 (3) 最後に、トルエンからMCHを効率良く合成(水素を貯蔵)する反応も開発した。白金炭素-イソプロパノール-水系に触媒量の鉄粉を添加すると、水素を外部添加する事無く100 ℃程度に加熱するのみで芳香核還元反応が進行する。H29年度に実施したXAFSの結果から、鉄と白金を介した芳香環への電子移動で反応が進行することも突きとめている(論文投稿準備中)。この反応は、MCH-トルエンの脱水素還元サイクルの還元(水素貯蔵)工程に大きく寄与する研究成果である。 以上(1)~(3)の研究成果はそれぞれ論文投稿準備中。特に(1)は6月の特許申請に向けて準備中であり、国が推進する次世代エネルギープロジェクトへの貢献が期待される。
|
Research Products
(15 results)