2016 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病の早期・予防診断のための膵β細胞標的ポータブルPETプローブの開発
Project/Area Number |
16K15106
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐治 英郎 京都大学, 薬学研究科, 教授 (40115853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 正博 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (80336180)
木村 寛之 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (50437240)
佐野 紘平 京都大学, 医学研究科, 助教 (00546476)
渡邊 裕之 京都大学, 薬学研究科, 助教 (40710786)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | PET / 膵β細胞 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、汎用性に優れるポータブルPET法による糖尿病の超早期・予防診断、先制医療を目指して、『機能性ユニット結合型分子プローブ』という新しい分子設計概念に基づき、膵β細胞量を非侵襲的、特異的に定量イメージングできる、ジェネレータ産生PET用68Ga分子イメージングプローブを創生することにある。最近、膵島β細胞が糖尿病発症前から減少することが報告されたことから、 膵β細胞数の非侵襲的定量を可能とする分子イメージング法の開発は、これまで測定法がなかった糖尿病の根幹的、早期の段階を標的とする、全く新しいカテゴリーのものであり、糖尿病の超早期診断、発症や合併症を未然に防止する先制医療を可能にするのみならず、糖尿病発症過程の病態解明や治療薬開発研究のバイオマーカーとして利用できることが期待されることから、本研究の成果は意義深いものとなると考えられる。 平成28年度においては、プローブの分子設計、効率的な高比放射能の68Ga標識体の合成法・反応条件の検討・確立を実施した。標識前駆体濃度、反応溶媒中のMES bufferの濃度および界面活性剤であるTween80の有無をそれぞれ変化させたさまざまな条件において検討した。その結果、放射化学的収率は5.7~97.4%と条件によって標識反応の進行が大幅に変化することが明らかとなった。投与液における標識前駆体の過剰な混入は膵β細胞への集積低下につながるため、前駆体濃度と放射化学的収率を勘案し、平成29年度に実施予定のインビボ評価を行う際の標識条件を決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の検討によって、インビボ評価を行うための標識条件を決定できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度においては、平成28年度において決定した標識条件に基づいて作成したPETプローブを用いたインビボ評価を実施する。具体的には、正常マウスを用いた体内分布実験によって膵β細胞へのプローブの集積、および体内における安定性を評価する。さらに小動物イメージング装置を用いたインビボイメージング実験を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
標識条件検討において、これまでに開発してきた111Inの条件を当てはめることができ、検討回数およびそれに関わる試薬の購入費用を削減することができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在検討中のプローブに比べ、より有効なプローブの開発を目的とした新規プローブの開発を計画している。
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