2016 Fiscal Year Research-status Report
TI抗原としてのPEG化ナノキャリアを用いた静注型ネオワクチンアジュバントの開発
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16K15108
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
石田 竜弘 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学系), 教授 (50325271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 太郎 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学系), 特任助教 (30749388)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ワクチン / アジュバント / ナノキャリア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では免疫細胞への新たな抗原送達法としてT細胞非依存的(TI)抗原であるPEG修飾リポソームの特性を利用した方法を提案した。本提案は、PEG修飾リポソーム投与によって脾臓辺縁帯のB細胞(MZ-B細胞)が感作され、数日後に投与したPEG修飾リポソームを補体受容体を介して捕捉し、速やかに胚中心の樹状細胞に運ぶようになる、という申請者らによる極めてユニークな発見に基づいている。この現象を利用すれば、多量の抗原を効率よく抗原提示細胞に受け渡すことができ、非常に強いワクチンを開発できる可能性が高い。また、PEG修飾リポソームは既に臨床で使用されており、さらにはPEG修飾リポソームがMZ-B細胞のみを感作して非特異的な炎症反応を誘導しないことから、ヒトに投与可能で安全なワクチンになる事が期待される。当該年度はPEG修飾リポソーム前投与によってTNP修飾BSAおよびオボアルブミン(OVA)に対する体液性免疫が誘導されるか検討した。これらのモデル抗原を内封させたPEG修飾リポソームの単回投与では、TNPあるいはOVAに対する強い体液性免疫の誘導は確認されなかった。一方、PEG修飾リポソームを前投与した後、抗原を内封したPEG修飾リポソームを投与した際には、高い体液性免疫の誘導を確認することができた。この体液性免疫の誘導は、ポジティブコントロールとして用いたフロイントの完全アジュバントを用いた際と同様か、それよりも強い傾向があった。現在、がんペプチドであるWT1を内封したPEG修飾リポソームを用いて同様の検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度に予定した検討内容を大凡網羅できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
仮説に基づいた計画どおりに研究が進捗しており、特に問題はない。今後も研究計画にしたがい検討を進めていく。
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Causes of Carryover |
物品費(消耗品)購入時の納期の都合で、軽微な残額が生じる事となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度予算と合算し、研究計画に沿って支出を行い、年度末までに償却する。
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Research Products
(3 results)