2017 Fiscal Year Annual Research Report
Post-translational modifications of a mitochondria-resident protein and its role in systemic regulation
Project/Area Number |
16K15115
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
一條 秀憲 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (00242206)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | PGAM5 / ミトコンドリア / 褐色脂肪 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞内のエネルギー代謝を語る上でミトコンドリアの存在は欠かせない。ミトコンドリア内膜の電子伝達系を用いて膜電位を形成し、ATP産生を行う一連のプロセスは、生命維持に必須である。 ミトコンドリア内膜に局在するPGAM5の欠損マウスの解析を進めた我々は、PGAM5が全身のエネルギー代謝に関与することを示唆するデータを得た。全身のエネルギー恒常性の維持には多くの組織が関与するが、その中でも特に我々は褐色脂肪組織に注目した。熱産生を行う数少ない組織であるこの組織の切片を観察すると、PGAM5欠損マウスにおいて脂肪蓄積の顕著な抑制が観察された。このことはPGAM5欠損がエネルギー代謝亢進を導いていることを示唆する。そのため当該組織を用いてRNA-seq解析を行ったところ、熱産生に関与する一部の遺伝子群の発現がPGAM5欠損マウスの組織において増加していることを見出した。この現象が、褐色脂肪細胞における細胞自律的な応答であるかどうかを検討すべく、初代培養系を用いた検討も引き続き行ったところ、PGAM5欠損マウス由来の初代培養褐色脂肪細胞においても熱産生関連因子の発現上昇が認められた。 そこで我々は、より詳細な分子メカニズムの解析を試みることとした。PGAM5の特徴として、膜電位の低下に伴い、膜内切断を受けることが知られている。しかしながら、この切断の意義に関する知見には依然乏しい。我々はPGAM5の切断を受けない変異体を用いた解析を行ったところ、熱産生関連因子の発現調節におけるPGAM5の切断の重要性が示唆された。 以上より、ミトコンドリア内膜に局在するPGAM5が、おそらくは膜電位依存的な膜内切断を介して熱産生因子の発現調節を行い、全身のエネルギー代謝恒常性維持に寄与している可能性を見出した。
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[Journal Article] Involvement of apoptosis signal-regulating kinase-1 in house dust mite-induced allergic asthma in mice2017
Author(s)
Maruoka, S., Gon, Y., Mizumura, K., Okamoto, S., Tsuya, K., Shikano, S., Soda, K., Naguro, I., Ichijo, H. and Hashimoto, S.
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Journal Title
Allergol. Int.
Volume: 66S
Pages: S50-S52
DOI
Peer Reviewed
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