2016 Fiscal Year Research-status Report
タンパク質相互作用に基づくペプチドリガンドの設計とプロテインノックダウンへの応用
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16K15121
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
内藤 幹彦 国立医薬品食品衛生研究所, 遺伝子医薬部, 部長 (00198011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大岡 伸通 国立医薬品食品衛生研究所, 遺伝子医薬部, 室長 (80568519)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ペプチド / 核内受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究で、エストロゲン受容体に対して強い親和性(Kd値:13nM)で結合するヘリカルペプチド(PERM3)を開発した。膜透過性を高めるためにPERM3のC末に膜透過ペプチド(R7)を結合し、さらにN末には各種リンカーを介してIAPリガンド(MV1)を結合したペプチド型SNIPERを各種合成した。これらのペプチド型SNIPERをin vitroでMCF7ヒト乳がん細胞に6時間作用させてエストロゲン受容体の発現量の変化をWesternブロット法で評価した結果、PEGリンカー(n=2)を介してMV1とPERM3-R7を結合したペプチド型SNIPER(peptide4)、及びAlaリンカーを介してMV1とPERM3-R7を結合したペプチド型SNIPER(peptide5)がエストロゲン受容体の減少活性を示す事を見出した。PERM3はアンドロゲン受容体にも結合活性を示す事から、アンドロゲン受容体の減少活性を同様にして調べたところ、これらのペプチド型SNIPERはアンドロゲン受容体の減少活性も示す事がわかった。またこれらの核内受容体減少活性は、プロテアソーム阻害剤であるMG132で抑制された事から、これらのペプチド型SNIPERはユビキチン・プロテアソーム系による標的タンパク質の分解を誘導している事が示唆された。これらの結果から、ヘリカルペプチドを標的リガンドとして利用したペプチド型SNIPERによって標的タンパク質の分解を誘導できることが示された。しかし小分子リガンドを利用したSNIPERに比べて活性が弱いことから、細胞への透過性などを改善する必要があると思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エストロゲン受容体及びアンドロゲン受容体の分解誘導活性を持つペプチド型SNIPERの開発に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
ペプチド型SNIPERによって標的タンパク質に形成されたユビキチン鎖の性状をTUBE(Tandem Ubiquitin Biding Entity)を利用してMSで解析すると共に、siRNAによってIAPを発現抑制した細胞で標的タンパク質のユビキチン化とプロテアソームによる分解が阻害されているかどうかを調べ、標的タンパク質のプロテインノックダウンが想定通りIAPによるユビキチン化を介しているかどうか検討する。さらにこれらタンパク質の分解が下流のシグナル経路に与える影響を検討する為に、エストロゲン受容体によって転写活性化される事が知られているサイクリンD、Myc、pS2等の遺伝子発現を定量的RT-PCRで解析する。また乳がん細胞、前立腺がん細胞の増殖阻害活性をMTTアッセイで測定し、細胞死誘導活性をフローサイトメーター及びカスパーゼ活性化等の方法で測定する。
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Causes of Carryover |
当該年度の研究計画を主に年度の後半に実施したが、第4四半期に執行した経費の支払いが遅れているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の予定通り、物品費(試薬及び消耗品等の購入)、及び研究成果発表のための旅費等に研究費を使用する予定である。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Targeted Degradation of Proteins Localized in Subcellular Compartments by Hybrid Small Molecules2017
Author(s)
Keiichiro Okuhira, Takuji Shoda, Risa Omura, Nobumichi Ohoka, Takayuki Hattori, Norihito Shibata, Yosuke Demizu, Ryo Sugihara, Asato Ichino, Haruka Kawahara, Yukihiro Itoh, Minoru Ishikawa, Yuichi Hashimoto, Masaaki Kurihara, Susumu Itoh, Hiroyuki Saito and Mikihiko Naito
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Journal Title
Mol Pharmacol
Volume: 91
Pages: 159-166
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] In Vivo Knockdown of Pathogenic Proteins via Specific and Nongenetic Inhibitor of Apoptosis Protein (IAP)-dependent Protein Erasers (SNIPERs)2017
Author(s)
Nobumichi Ohoka, Keiichiro Okuhira, Masahiro Ito, Katsunori Nagai, Norihito Shibata, Takayuki Hattori, Osamu Ujikawa, Kenichiro Shimokawa, Osamu Sano, Ryokichi Koyama, Hisashi Fujita, Mika Teratani, Hirokazu Matsumoto, Yasuhiro Imaeda, Hiroshi Nara, Nobuo Cho, Mikihiko Naito
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Journal Title
J Biol Chem
Volume: 292
Pages: 4556-4570
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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