2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel toxicity evaluation system based on whole-body/organ imaging technique with single cell resolution
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16K15124
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田井中 一貴 新潟大学, 脳研究所, 特任教授 (80506113)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 組織透明化 / 3Dイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は1細胞解像度の個体・臓器丸ごと細胞動態解析により曝露物質の毒性を評価する新規安全性試験技術の開発を目的として、組織内に分布する細胞群の空間座標を特定するための基準となるマウス脳アトラスを作製した。マウス脳膨潤透明化技術・高解像度観察用シート照明型蛍光顕微鏡・高精度細胞検出アルゴリズムを開発することで、領域ごとの損傷度合いを定量的かつ包括的に解析可能な1細胞解像度全脳アトラスの作製に成功した(Murakami et al., Nat. Neurosci., 2018, 21, 625-637)。これまでに、神経活動の亢進により蛍光タンパク質の発現が上昇するArc-dVenusマウスを用いることで、マウス全脳の神経活動の履歴を包括的に観察できることが分かっている。そこで、Arc-dVenusマウスを用いて、新たに作製したマウス脳アトラスを元に、覚せい剤であるメタンフェタミンおよび向精神薬であるハロペリドールを投与した際の神経活動の履歴を解析した。クラスター解析の結果、時間依存的にメタンフェタミンによって活性化されるグループや、メタンフェタミンとハロペリドールの同時投与によって活性化されるグループなどの脳領域が分類された。CT4, CT22において、体性感覚野や海馬台、前障、尾状核被殻などの領域では、メタンフェタミン投与により活性化される一方で、ハロペリドール投与により不活性化される傾向が観測された。また、CT4, CT22において、メタンフェタミンとハロペリドールの同時投与により、体性感覚野や視覚野、側頭連合野、扁桃体基底外側部などの領域が活性化されていた。以上により、覚せい剤によって惹起される神経毒性の潜在領域、並びに覚せい剤に拮抗しうる治療薬投与時の神経活動状態を網羅的に可視化する解析基盤が確立された。
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Research Products
(15 results)