2017 Fiscal Year Annual Research Report
Genetic tools for circuit-based drug discovery
Project/Area Number |
16K15125
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永安 一樹 京都大学, 薬学研究科, 助教 (00717902)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | セロトニン / ウイルスベクター |
Outline of Annual Research Achievements |
神経伝達物質による情報伝達は、全ての脳機能の基盤となっている。この情報伝達のほとんどは、終末のシナプス間隙で起きるが、セロトニン神経やドパミン神経など一部の神経細胞は、細胞体からも神経伝達物質を遊離することが知られている。細胞体からの遊離の機能として、自己受容体を介した自己抑制が想定されているが、細胞体からの遊離のみを制御する手法は存在せず、その生理的意義の解明には至っていない。本研究では、細胞内小器官の機能を発現箇所のみで光依存的に低下させるminiSOG(singlet oxygen generator)と独自開発のセロトニン神経特異的ウイルスベクターを組み合わせることで、細胞体からの遊離が持つ生理的意義の解明を目指す。 研究実施計画に沿って、シナプス小胞タンパク質と一重項酸素産生タンパク質であるminiSOGとの融合タンパク質を用いて検討を行った。 前年度までに作成した、TPH2遺伝子上流配列の下流に、本融合タンパク質をコードした配列を配置したレンチウイルスベクタ―を用いることで、特異性高く融合タンパク質を発現させることができたが、そのポピュレーションは十分でないと考えられた。そこで、レンチウイルスベクターよりもウイルス濃度を高めることができるアデノ随伴ウイルスベクターを用いて、特異性を維持したまま、外来遺伝子を高レベルで発現させることが可能か検討した。 TPH2遺伝子上流配列の下流に、蛍光タンパク質であるVenusを発現するアデノ随伴ウイルスベクターを構築し、その特異性を評価したところ、背側縫線核内のほとんど全てのセロトニン神経にVenusを発現させ得ることを見出した。今後、融合タンパク質を発現するアデノ随伴ウイルスベクターを用いた検討を行うことで、細胞体からのセロトニン遊離の生理的意義の解明を図りたい。
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[Journal Article] High-Speed and Scalable Whole-Brain Imaging in Rodents and Primates2017
Author(s)
Seiriki K, Kasai A, Hashimoto T, Schulze W, Niu M, Yamaguchi S, Nakazawa T, Inoue KI, Uezono S, Takada M, Naka Y, Igarashi H, Tanuma M, Waschek JA, Ago Y, Tanaka KF, Hayata-Takano A, Nagayasu K, Shintani N, Hashimoto R, Kunii Y, Hino M, Matsumoto J, Yabe H, Nagai T, Fujita K, Matsuda T, Takuma K, Baba A, Hashimoto H.
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Journal Title
Neuron
Volume: 94
Pages: 1085~1100.e6
DOI
Peer Reviewed
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