2016 Fiscal Year Research-status Report
GPCR二量体認識ユニットを活用したケミカルバイオロジー研究
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16K15139
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
玉村 啓和 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (80217182)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | GPCR / ケモカインレセプター / CXCR4 / 2価型リガンド / ポリプロリン / 二量体 |
Outline of Annual Research Achievements |
以前からGPCRのひとつであるケモカインレセプターCXCR4の二量体構造を高い親和性を持って認識する2価型リガンドを開発してきた。2個のリガンド間を結ぶリンカーには強固なヘリックス構造をとるポリプロリン鎖を用いており、このポリプロリン鎖の両端にクロロアセチル基を導入し、リガンド中に含まれるD-Cys-FC131のチオール基と選択的に反応させて、2価型リガンドを合成していた。ホモ二量体を認識する2価型リガンドを合成する場合は、リンカーであるポリプロリン鎖の末端の2個の官能基とリガンド中の官能基の同じ組み合わせで1種類の化学選択的反応を用いればいいが、ヘテロ二量体を認識する異種2価型リガンドを合成する場合は、異なる官能基の組み合わせの2種類化学選択的反応を用いればいい。従って、ポリプロリン鎖の両端にも異なる官能基を導入したものを合成し、異種リガンドのそれぞれの官能基と化学選択的反応により縮合し、異種2価型リガンドを創製する方法を確立した。GPCRホモ二量体を認識するプローブを創製する場合、Pro数15-25個程度のポリプロリンリンカー鎖を調製し、リガンドを2個結合させて、同種2価型化合物を合成することができた。その際、リガンド側にある官能基の種類により、ポリプロリンリンカー鎖の両端にも選択的に反応する官能基を導入したものを合成した。GPCRヘテロ二量体を認識するプローブを創製する場合、上記の長さの範囲のポリプロリンリンカー鎖の両端にクロロアセチル基、メチルケトン基、アジド基等別々の官能基を導入し、種々の異種のGPCRリガンドを2個結合できるヘテロ二量体認識プローブ創製用のリンカーをいくつか合成している。このようにして、本研究ではGPCRの二量体構造を認識するプローブの開発、実用化を基盤とした研究を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
異種2価型リガンドを創製する方法を確立したので、今後の進展が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
リンカーであるポリプロリン鎖の両端に異なる官能基を導入し、異種リガンドのそれぞれの官能基と化学選択的反応により縮合し、異種2価型リガンドを創製する方法を確立したので、GPCRの二量体構造を認識するプローブを作成していく。
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Causes of Carryover |
ホモ二量体を認識する2価型リガンド、およびヘテロ二量体を認識する異種2価型リガンドの合成法の確立を先に進めた。29年度に本方法を用い、種々のリガンドを合成するため次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
リンカーであるポリプロリン鎖の両端に異なる官能基を導入し、異種リガンドのそれぞれの官能基と化学選択的反応により縮合し、異種2価型リガンドを創製する方法を確立したので、GPCRの二量体構造を認識する種々のプローブを合成する。
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Research Products
(7 results)