2017 Fiscal Year Annual Research Report
Chemical Biology Researches Using Recognition Units for GPCR Dimers
Project/Area Number |
16K15139
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
玉村 啓和 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (80217182)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | Gタンパク質共役型受容体 / 二量体化 / 2価結合型リガンド / ポリプロリン鎖 / CXCR4 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在の創薬・ケミカルバイオロジー研究において、7回膜貫通Gタンパク質共役型受容体(G-protein coupled receptor; GPCR)は中心的な役割をはたす受容体ファミリーであり、医薬品の30%以上がさまざまなGPCRを標的としている。近年、GPCRの二量体化がシグナル伝達において重要であり、病態の進行と密接に関わることが示唆されている。よって、GPCRの二量体を検出できるプローブは、非常に有用であると考えられる。以前、研究代表者らはGPCRのひとつであるケモカインレセプターCXCR4に関して、リンカーとして強固なヘリックス構造をとるポリプロリン鎖を用いることで結合親和性の向上した2価結合型リガンドを構築し、二量体状態の特異的認識に成功した。そこで、本研究では2価型でGPCR二量体に結合するプローブの創製研究をさらに推し進めて、GPCR二量体を特異的に認識する医薬品の創出への展開を行った。そして、任意のGPCRの二量体構造認識プローブをドラッグシャトル等医薬学的に展開する一般的な学術基盤を確立することを目指した。具体的には、GPCR二量体認識ユニットに他の医薬品を導入し、GPCR発現細胞に選択的に医薬品をターゲティングするドラッグシャトルの創製を行った。本研究成果により、GPCR二量体プローブ、GPCRをターゲティングするドラッグシャトルの創製の方法論の確立が期待でき、GPCR二量体プローブによりがん細胞等の特異的な可視化システムを創出することができ、ドラッグシャトルにより有用な薬物送達システムが確立できると期待される。したがって、本研究は中分子サイズの分子標的創薬になりうる方法論の開発につながると思われる。
|