2017 Fiscal Year Annual Research Report
Micro RNA-mediated expressional regulation of transporters
Project/Area Number |
16K15158
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
玉井 郁巳 金沢大学, 薬学系, 教授 (20155237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 猛夫 金沢大学, 薬学系, 准教授 (30541742)
中島 美紀 金沢大学, 薬学系, 教授 (70266162)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | トランスポーター / 食品 / ナノ粒子 / マイクロRNA / 薬食相互作用 / 消化管 |
Outline of Annual Research Achievements |
OATP2B1は医薬品等の消化管吸収に寄与するトランスポーターであり、消化管は高濃度の食品に暴露される。食品には多様な成分が含まれているが、その中にはナノ粒子が多量に含まれていることが近年明らかになりつつある。ナノ粒子にはmicroRNAも含まれることから、リンゴやグレープフルーツからナノ粒子画分を得ることができた。Caco-2細胞にナノ粒子画分を作用させたところリンゴ由来ナノ粒子(AP-NP)によってOATP2B1を含む複数のトランスポーターの発現が低下した。煮沸や超音波処理したナノ粒子画分ではそのような作用は消失し、AP-NPとして作用することが示唆された。さらにAPのmicroRNAデータベースならびにOATP2B1遺伝子3'UTR配列から複数のリンゴmicroRNAがOATP2B1に作用することが示唆された。対応するmicroRNAがAP-NP中にも含有されることがRT-PCRにより確認された。また、OATP2B1遺伝子の3'-UTRを付加したLuciferase発現検討によってもAP-NPにより遺伝子発現抑制が観測された。さらに、対応するmicroRNAの不活化剤による発現低下程度の抑制も観測された。Ccao-2細胞におけるOATP2B1タンパク質の抑制もAP-NPより観測され、それに伴うOATP2B1による輸送活性低下も確認された。以上の結果はいずれもAP-NP中に含まれる特定のmicroRNAによってOATP2B1の発現が抑制されることを示すものであり、食品はナノ粒子を介して含有するmicroRNAを安定的に消化管細胞にデリバーし、その結果として特定の遺伝子発現の調整を行うことが示された。本成果は2018年4月の米国実験薬理学会で公表するとともに、学術論文の作成を進めている。
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Research Products
(8 results)