2018 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of structure/function relationship analysis system of CAR contributing to optimization of CAR-T cell therapy
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16K15160
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡田 直貴 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (90312123)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | キメラ抗原受容体 / 構造/活性相関 / 細胞療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
[抗原認識領域改変CARの構造活性相関解析] 4種類のanti-VFGFR2 scFv cloneを用いて構築したCARの中には、T細胞膜上に発現してVEGFR2特異的結合能を有する構造体を含んだが、ほとんどのCARはT細胞膜上に発現するもののVEGFR2結合親和性が非常に乏しい構造体や、膜への発現効率が低く細胞内での凝集が認められる構造体であった。scFvを構成するリンカーの種類や長さあるいは可変領域の順序の入替ではCAR発現効率およびVEGFR2結合親和性を向上させるには至らなかったが、CDR-graftingによりCAR膜発現強度の改善効果が認められた。本研究の成果は、有望なscFvを取得したとしてもCARとしてT細胞膜上に発現させることができずに開発を断念してきたケースに対して、scFv構造改変からの打開策を示すものである。 [ヒンジ領域改変CARの構造活性相関解析] CARコンポーネントであるCD28由来ヒンジ領域に含まれるシステインをアラニンに置換したCAR改変体を構築したところ、基本構造体で認められたジスルフィド結合を介した複合体形成が阻害された。基本構造体と比較してアラニン置換体ではCAR-T細胞の抗原特異的な細胞傷害活性に大きな変化は認められなかった。また、ウエスタンブロッティングにおけるCAR単量体バンドは、脱糖鎖酵素処理によって低分子量側にシフトしたことから、CAR分子は糖鎖修飾を受けていることが判明した。現在、CARのジスルフィド結合を介した複合体形成に寄与する膜タンパク質の同定と、糖鎖修飾部位のアミノ酸残基を置換したCAR改変体の発現・機能解析を進めており、CAR翻訳後修飾とCARシグナル伝達効率との連関を明らかにしたいと考えている。
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