2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of pemeable mechanism of new intestinal permeable peptide
Project/Area Number |
16K15162
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大槻 純男 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 教授 (60323036)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 環状ペプチド / 小腸透過 / Caco2細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、ペプチド製剤やタンパク質製剤等の高分子医薬品の開発が盛んに行われており、現在40種類以上の高分子医薬品が発売されている。しかし、高分子医薬品は消化管内において酵素分解を受け、小腸において吸収されないため、バイオアベイラビリティが低いことが大きな課題である。従って、高分子医薬品の小腸吸収性を向上させる技術として、高分子の小腸透過を可能とするキャリアの開発が必須である。独自に同定したM13ファージの小腸透過を促進する新規環状ペプチドを用い、本研究では、環状ペプチドの小腸透過機構を解明し、小腸透過キャリアの分子基盤を構築することを目的とする。平成29年度は小腸透過様式を明らかにするために複数の化合物と透過ペプチドとの透過を検討した。蛍光化合物を結合した透過ペプチドは小腸上皮細胞を透過するとともにCaco2細胞への取り込みが観察された。インスリンは透過ペプチドとの共投与で血糖値を降下させることを前年度に示している。一方でデキストランと透過ペプチドのCaco2の共投与によってはデキストランの細胞への内在化は検出されなかった。また、M13 Phageと透過ペプチドの共投与は、透過ペプチドを発現するM13と比較して著しく小腸透過が低下した。さらにインスリンと透過ペプチドが相互作用するか検討した結果、両者は相互作用している可能性が高いことが示された。以上の結果から透過ペプチドはマクロピノサイトーシスで非特異的に化合物を輸送するのではなく、環状ペプチドと結合しているもしくは相互作用している化合物の小腸上皮細胞の透過を促進することが示された。
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Research Products
(6 results)