2017 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms to control the number and size of the nucleolus
Project/Area Number |
16K15166
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
斎藤 哲一郎 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00202078)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 遺伝子 / ゲノム / 細胞・組織 / 発現制御 / 発生・分化 / 電気穿孔法 |
Outline of Annual Research Achievements |
核小体はrRNAの合成などリボソーム形成に重要な場であり、細胞分裂の度に崩壊と再形成を繰り返すが、核小体の数や大きさがいかに制御され、どの様に機能と結びつくのかには不明な点が多い。さらに、核小体はp53経路を活性化するストレス応答やパーキンソン病などの神経変性疾患にも関わることが示唆されている。研究代表者らが発見したユニークなタンパク質のNeproは核小体に局在し、Neproノックアウトマウス胚では、核小体の数と大きさが異常になるとともに細胞がアポトーシスを起こす。さらに、電気穿孔法を用いNeproタンパク質の様々な領域を欠損させた変異体をマウス神経幹細胞等で発現させた機能解析の結果、Neproの配列中に研究代表者らが見出したQVEQCドメインと疎水性ドメイン、核移行シグナル、DDIDDIFドメインの4つのドメインが互いに協調的に働くことがNeproが機能する上で必須であることが明らかになった。また、Neproは、胚盤胞直前のマウス初期胚の細胞ではp53経路を抑制するが、神経幹細胞では別の機能を担っていることが示され、初期胚と神経幹細胞でNeproの分子機能が異なることが示された。一方、Neproにペプチドタグを付けたタンパク質を神経幹細胞で強制発現させた後、タグに特異的な抗体を用いて精製することにより、Neproと共役する多数の候補因子を生化学的に同定した。その中で、Neproは核小体内で、Nuceleophosmin (B23)タンパク質と相互作用するとともに、核小体内の機能に必須なドメイン構造の形成に重要であることが明らかになった。
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