2016 Fiscal Year Annual Research Report
Role of chromocenter formation in cellular differentiation
Project/Area Number |
16K15174
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
富澤 信一 横浜市立大学, 医学部, 助教 (00704628)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | クロモセンター / 幹細胞 / 細胞分化 / クロマチン |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はマウスをモデルとし、哺乳類の長期的な精子形成に重要な精子幹細胞の維持や分化に必要な分子機構の解明を目指した研究を行っている。これまでの研究で、精子幹細胞が前駆細胞へと分化する時に、細胞核内の微細形態に大きな変化が起こることが分かっている。例えば精子幹細胞ではあまり見られないクロモセンターが前駆細胞に分化すると顕著に認められるようになるなどの現象が確認されている。これと同時に、ゲノムにおいては様々なエピジェネティックな修飾の状態が変化することも捉えられており、我々はこれら一連の現象が精子幹細胞分化と深い関連を持つと考えている。このようなクロモセンターには一般的にはセントロメア近傍の繰り返し配列が集積していると考えられているが、その正確な実態は明らかにされていない。そこで本研究ではこのクロモセンターを構成する実際のゲノム領域を次世代シークエンサー技術を応用して同定し、精子幹細胞分化との関連を調べることを試みた。まず我々は、この実験で細胞の核画分を効率よく精製するために有用なSun1-sfGFPマウスを導入した。その上で、過去の報告に基付いてクロモセンターを細胞から超遠心分離により精製する手法の再現を試みた。ところが、生体マウスを用いて期待されたクロモセンターの高純度な精製を確認することができなかった。今後は過去の報告と照らし合わせて肝臓などの臓器由来の大量の細胞を用い、超遠心分離の方法も再検討を行い、高純度な精製が確認され次第次世代シークエンサーライブラリーの作製へと進めたい。
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