2016 Fiscal Year Research-status Report
光応答性DNAによるK+チャネルKcsAの集合・離散構造の制御と協同的機能の解明
Project/Area Number |
16K15178
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
角野 歩 福井大学, 学術研究院医学系部門, 特別研究員 (80717140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 由紀子 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (00527947)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | イオンチャネル / 光制御 / DNA / 架橋体 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は①光応答性DNAリンカーの新規合成、②光応答性DNAリンカーのKcsAチャネルへの結合とチャネル架橋体形成、③KcsA間架橋の光制御、を行った。①では、KcsAチャネルに結合させる光応答性リンカーとして、DNA鎖中の三箇所にアゾベンゼンを含む10塩基からなるリンカーを検討した。DNAリンカーのKcsAチャネルへの結合のために、DNA末端にはマレイミド基を導入した。②①で調製したマレイミド修飾DNAリンカーを結合させるため、KcsAチャネルの細胞外ループのうち三箇所(R52, G53, G56)をそれぞれシステインに変異させたものを調製した。調製したチャネルをマレイミド付DNAリンカーと反応させたところ、三種類すべての変異体において90%以上のDNA修飾率となった。相補的な配列でそれぞれ修飾したKcsAチャネルを1:1で混合し一晩冷却すると、KcsAのG53C変異体においてDNAの二重鎖形成によるチャネルのダイマー化が確認された。さらに、このチャネルのダイマーに二重鎖開裂の刺激として紫外光を照射するとダイマーの形成割合が減少し、二重鎖形成の刺激として可視光を照射するとダイマーの形成割合が増加した。以上より、新規合成した光応答性DNAリンカーを用いてKcsAチャネルのダイマー形成の光制御を行うことに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二重鎖形成能の光応答性を有するアゾベンゼン導入DNAリンカーの合成に成功し、さらにそのKcsAチャネルへの結合およびチャネルのダイマー化の光制御に成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
多量体形成の光制御の再現性を上げ、光照射環境下での電気生理計測を行う。 また、チャネル間距離の制御のために、これまで行った10塩基のリンカーだけでなく、より長いリンカーの開発も検討する。
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Causes of Carryover |
チャネルの機能測定のための電気生理関連機器の購入のため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究にて構築するチャネル架橋体の活性測定に必要である
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Research Products
(6 results)