2017 Fiscal Year Annual Research Report
Diagnosis of stress using the microRNA instead of amylase in saliva
Project/Area Number |
16K15192
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
栗原 琴二 明海大学, 歯学部, 講師 (10170086)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マイクロRNA / 唾液 / ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度,ヒト唾液を取り扱うために本学の倫理委員会から「唾液マイクロRNAによってストレス度合いを評価する研究(承認番号A1617)」の承認を得た。 倫理委員会の承認にあたり,試料は学内の18~65歳の健常者に限られた。30名の学生から同意を得,ストレスのない通常生活時の唾液,およびストレスを受けている定期試験期間時の唾液を採取してマイクロRNAの変動を比較した。 通常の生活時のストレスのない状態でも唾液マイクロRNA発現の個人差が大きかった。通常生活時の唾液提供の際のアンケートで「現在ストレスがない」に対し「現在ストレスがある」と自己申告した被験者ではmiR-21-5pおよび 27b-3pの発現量に増加傾向がみられたが,非常に分散が大きく有意差はなかった。 定期試験期間に採取した唾液マイクロRNAをmiR-148a-3pを内部標準にして通常時と比較すると,全体的に増加傾向がみられた。特に,miR-141-3p,16-5p,21-5p,23a-3pに増加傾向がみられたが,すべての被験者に一貫性がないこと,分散が大きいことから明らかな有意差かどうか判断が難しかった。 研究期間全体を通じて,マウスに糖質コルチコイドを投与し本質的なストレス状態を再現すると,顎下腺組織のmiR-141-3P,21a-5p,29b-3pが増加した。また,皮下に埋め込んだポンプからエピネフリンを連続投与(交感神経による一過性の緊張を想定)した場合,顎下腺組織マイクロRNAは変化しなかった。これらの結果はバイオプシー等の組織採取が可能な場合,miR-141-3P,21a-5p,29b-3pはストレスマーカーとなる可能性がある。一方,唾液によるストレス判断は最終年度のヒト唾液,および前年度のマウス唾液のマイクロRNAの結果,絶対値ではなく内部標準を用いて評価しても分散が大きくストレスの判断に困難を感じた。
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Research Products
(1 results)