2016 Fiscal Year Research-status Report
機能性非コードRNA結合蛋白質を網羅的に同定する新たな基盤技術の開発
Project/Area Number |
16K15212
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武川 睦寛 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30322332)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 機能性RNA / 非コードRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
ノンコーディングRNAは、ヒトゲノムDNAから転写される多様なRNA分子種の内、蛋白質をコードしないRNA分子の総称である。近年、この様なノンコーディングRNA、特にmiRNAやlncRNAなどに代表される機能性ノンコーディングRNAが、細胞内で様々な核酸分子や蛋白質分子と相互作用し、細胞増殖、生存、死、分化など、多彩な細胞機能および生命機能の制御に重要な役割を果たすことが明らかにされてきた。また、その発現異常や機能異常が、癌や神経変性疾患などを始めとする各種難治性疾病の発症や病態形成にも深く関与することが明らかにされつつあり、世界的に強く注目されている。しかしながら、これまでにその生物学的機能が明らかにされているノンコーディングRNA分子はごく僅かであり、大多数の分子の生理機能は、依然として不明のままである。本研究では、ノンコーディングRNAによる生命機能制御機構の解明を促進する新たな基盤技術の確立を目指して、核酸科学および蛋白質科学分野の先端技術を融合することにより、生細胞内で機能性ノンコーディングRNAと特異的に結合する分子を網羅的に同定する新たな実験手法の開発に挑戦している。この目的実現のため、本年度は、各種発現ベクターの構築や、様々な実験条件の最適化を実施し、解析手法の技術的基盤および基本プロトコールを確立した。また実際に、結合分子が既に同定されているノンコーディングRNA分子を活用してパイロットスタディーを施行し、有望な結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非コードRNAと生細胞内で特異的に結合する分子を網羅的に同定する手法の開発を行い、ベクターの構築や各種条件検討を実施し、解析手法の技術的基盤を確立した。また、既知の分子を利用して、パイロットスタディーを施行した結果、有望な結果が得られた。本法は様々なncRNA分子の相互作用解析に広く適用可能であり、その生理機能の解明を強力に推し進める新技術として、当該分野の発展に大きく貢献することが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
パイロットスタディーによって得られた結果に基づいてプロトコールを改善すると共に、バックグラウンドが少なく、検出感度度に優れた実験条件を決定して、本手法を完成させる。また本手法を用いて、我々が見出した疾患関連非コードRNAと特異的に結合する分子を同定し、その機能を解明する。
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Research Products
(36 results)
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[Journal Article] Genomic loss of DUSP4 contributes to the progression of intraepitherial neoplasm of pancreas to invasive carcinoma.2016
Author(s)
Hijiya N, Tsukamoto Y, Nakada C, Tung NL, Kai T, Matsuura K, Shibata K, Inomata M, Uchida T, Tokunaga A, Amada K, Shirao K, Yamada Y, Mori H, Takeuchi I, Seto M, Aoki M, Takekawa M, and Moriyama M.
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Journal Title
Cancer Res
Volume: 76
Pages: 2612-2625
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] DUSP4の発現低下は膵上皮内癌から浸潤癌への進展に関与する2016
Author(s)
Naoki Hijiya, Yoshiyuki Tsukamoto, Chisato Nakata, Tomoki Kai, Keiko Matsuura, Masafumi Inomata, Kuniaki Shirao, Hiromu Mori, Masao Seto, Masahiro Aoki, Mutsuhiro Takekawa, Masatsugu Moriyama
Organizer
第75回日本癌学会学術総会
Place of Presentation
パシフィコ横浜(横浜)
Year and Date
2016-10-06 – 2016-10-08
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