2016 Fiscal Year Research-status Report
素過程の統合的理解に基づく小胞体ネットワーク形成の全容解明
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16K15218
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
匂坂 敏朗 神戸大学, 医学研究科, 教授 (80359843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 泰憲 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (30467659)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 細胞小器官 / 小胞体 / 膜変形タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
小胞体はシート構造とチューブ構造からなり、チューブ構造が細胞内にネットーワークを形成している。小胞体のチューブ構造を制御する膜変形タンパク質として、reticulonファミリー、atlastinファミリー、lunaparkなどが知られている。これまで、私どもは、reticulon ファミリーの一つとしてArl6IP1を発見し、小胞体の構造維持に働いていることを明らかにしている。一方、小胞体の構造は静的なものではなく、酸素欠乏に対して小胞体のチューブ構造が層板構造に速やかに変化するなど外界からの刺激に対して鋭敏に反応することが知られている。この小胞体の形態変化には、膜変形タンパク質の合成や分解が関係していると予想されるが、その分子機構は不明である。本年度は、主要なタンパク質分解経路であるユビキチン化と膜変形タンパク質の関係を明らかにするためにlunaparkのユビキチンリガーゼ活性について解析し、以下の結果を得た。 1)Lunaparkと結合タンパク質p120の全長リコンビナントタンパク質を用いて、結合を確認した。 2)Lunaparkのtruncateリコンビナントタンパク質を用いて、p120の結合領域を同定した。 3)Lunaparkタンパク質全長を用いてin vitroユビキチンリガーゼアッセイを行い、lunaparkのユビキチンリガーゼ活性を確認した。 4)Lunapark結合タンパク質p120をin vitroユビキチンリガーゼアッセイに加えると、lunaparkのユビキチンリガーゼ活性を抑制した。 このように本年度は、膜変形タンパク質lunaparkのユビキチンリガーゼ活性調節について当初の計画とおりの成果をあげることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Lunapark結合タンパク質p120がlunaparkのユビキチンリガーゼ活性を抑制することを発見したことより、おおむね順調に研究が進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
小胞体チューブ構造のネットワーク形成において、lunaparkは膜変形活性により小胞体three-way junction構造を安定化することが知られている。p120をツールにして、lunaparkが有する膜変形活性とユビキチンリガーゼ活性との2つの機能関係を明らかにする。得られた知見をもとにlunaparkの小胞体three-way junction構造安定化を再構成し、小胞体three-way junction形成の分子メカニズムを解明する。
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Remarks |
神戸大学大学院医学研究科 生理学・細胞生物学講座 膜動態学分野 http://www.med.kobe-u.ac.jp/membrd/
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[Journal Article] Kif14 overexpression accelerates murine retinoblastoma development.2016
Author(s)
O'Hare, M., Shadmand, M., Sulaiman, R.S., Sishtla, K., Sakisaka, T., and Corson, T.W.
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Journal Title
Int. J. Cancer.
Volume: 139巻8号
Pages: 1752-1758
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research