2018 Fiscal Year Annual Research Report
Reconstitution of paracellular transport by establishment of a claudin-deficient epithelial cell line.
Project/Area Number |
16K15226
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
古瀬 幹夫 生理学研究所, 生体機能調節研究領域, 教授 (90281089)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | クローディン / タイトジャンクション / 上皮バリア機能 / 細胞間接着 / 上皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、5つのクローディンをゲノム編集によって欠失させることによりタイトジャンクションを失ったMDCKII細胞を樹立した。この細胞に、欠失させた5つのクローディンサブタイプをそれぞれ単独で外来的に発現させた結果、いずれの場合でも、各サブタイプ単独で機能的なタイトジャンクションが再構成されることを明らかにした。すなわち、MDCKII細胞で多数のクローディンサブタイプが共発現する意味として、機能的なタイトジャンクションの形成に複数のサブタイプ化の協奏的作用が必要かもしれないとの仮説は正しくないことがわかった。さらに、5つのクローディンサブタイプを順次欠失させる過程で、クローディン2,4,3,7の4つを欠失させた時点で、タイトジャンクションのストランド構造の形成が貧弱で不十分であり、上皮バリア機能が大きく低下していることがわかった。先述の結果と合わせると、内在的に発現するクローディン1だけではMDCKII細胞でタイトジャンクションを形成するためのクローディン量が不十分であることを意味する。また、上記クローディン欠失細胞において前年度に見出された新規細胞密着部位の詳細な解析を行った結果、この構造が高分子量のトレーサーの透過に対してバリア機能を有することを見出した。このことはタイトジャンクションが、1)クローディンが形成するタイトジャンクションストランド構造を基盤とする電解質等少分子に対するバリア構造と、2)何らかの接着分子が構成する高分子量分子の透過に対するバリア機能を有する細胞膜密着部位、という2つの要素から構成されることを示唆する。
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Research Products
(5 results)