2017 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms underlying the deficiency of oral immunity and its effect on systemic organ network
Project/Area Number |
16K15252
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小松 紀子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (20553358)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 炎症性骨破壊 / T細胞 / 口腔内細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔組織は外界に接し絶えず病原体の侵入に晒された組織であり、その恒常性の破綻は免疫系の過剰な活性化を介して炎症性骨破壊を引き起こすことが知られている。申請者らは以前関節炎誘導性の新規Th17細胞サブセットの同定に成功したが、その病原性を司る分子機構は不明である。また近年、関節リウマチ患者では口腔内細菌の恒常性が破綻していることが報告されている。口腔では口腔内細菌感染によって炎症を介して歯を支持する骨の破壊が引きおこされることが知られており、新規Th17細胞が臓器免疫連関を担う可能性が考えられる。本年度では、口腔内恒常性の破綻時における新規Th17細胞を含めた免疫細胞の解析を行った。前年度に引き続き、新規Th17細胞の病原性を司る分子基盤を明らかにするためトランスクリプトームおよびプロテオーム解析とともに治療標的分子のスクリーニングを行い複数の候補遺伝子を選定した。また、CRISPR-Cas9システムを用いて候補遺伝子をターゲットとした遺伝子欠損マウスを複数樹立して免疫学的解析を行った。さらに、新規Th17細胞が口腔内細菌感染時においても分化して炎症と骨破壊において主要な役割を担うと同時に、抗菌免疫の誘導と歯の脱落を介して感染防御を担うことが明らかとなった。したがって新規Th17細胞は関節リウマチや口腔内細菌感染時に炎症や骨破壊をひきおこすだけでなく、生体防御に貢献する可能性が示唆された。
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